覚悟

彼がレースに出走登録をすると、毎回の様に祈らなければならない。
ここ最近は、その祈りは全く届かなかったどころか、彼にとって不遇な状況にしかならなかった。

正直言って辛かったわー・・・
スマホでさ、馬番が発表された出馬表を確認するでしょ。上から順に1枠から並んでるでしょ。
スクロールしても出てこないんだよ、彼の名前が全然。
そして天気。もう枠順も天気も悪いとなると絶望感しかない。出走日の天気もここ最近は曖昧で、
蓋を開けてみればレースまでに馬場が乾いてないとか、レース直前に雨に降られたりとか。
好走条件がこれだけ絞られてる彼を見守る者として、8歳以降の彼を待ち受ける状況が最早イジメに
すら感じられたものだ。

鞍上、馬の状態、そして出走する競馬場は管理陣営で選び、パーツを組み合わせることができる。
でも彼にとって一番大事な要素は、偶発的に決まる枠と馬場。
だからこそなんだけど、2年前の有馬記念。

「なんでここで1枠2番とか引いちゃうかなぁ!?」

・・・暮れの中山、決して高速とは言えない力の要る芝の状態、そして直線に立ちはだかる急坂。
要は、陣営としてはダメ元でのレース選択になるのが、彼にとっての有馬記念。
最初から彼の不得意が顔を揃えた環境下なんだよね、このレース。そこで1枠って君ねぇ・・・
幸い雨には襲われなかったし、割といい位置で直線を向くことができたけれど坂登りで他馬にどんどん
抜かされる結果。大体ねぇ、彼の中山成績知ってる?5回走って全部2ケタですよ?

内枠巧者というのは周知の事実だけど、それと併せて覚えておきたいのが平坦巧者でもあるってこと。
得意な競馬場、得意な馬場、得意な枠。それがあるってことは裏返せば、そうじゃなきゃダメってことだ。
どう考えても選り好みが激しすぎるだろ。他の馬はこんなにワガママ言わないんだよ。


もうあの京都大賞典から4年が経つんだね。


その前から、私は彼のことを「強い馬だ」と言い続けてきた。あの京都大賞典の後はゼンノロブロイの
様に秋のG1三連戦をグランドスラムじゃー
とはしゃいだものです。
その翌々年の目黒記念、初めての小牧騎手とのコンビ。ダービーデイの府中最終、内を縫う様に突き抜けた
彼の姿には本当に元気がもらえた。ここでも言ったけど、あの時はブログをやめることを本気で考えてた
時期でさ。ずっと応援していた彼の勝利には、逆に応援された気になっちゃって。
あの時はね、本当に涙が出たんだよ。うれしくて。
結局まだG1は勝ててないままだけど、あの頃の彼は応援してて楽しかった。


今はね、結構辛いよ。さっき言った枠運や天気運の無さもそうだけど、もう「強かった」っていう過去形に
せざるを得ないのかな、そんな風に思ってしまう結果が続き過ぎた。

でも、ここに関して私が考えてること、多分当たってると思うんだよね。
もう9歳も終わる。最近は2桁の着順ばかりだ。何故引退という判断にならないんだ?
それは、ずっと彼を見てきた陣営、そしてファンならば解ると思う。


諦めきれないんだよ、この運の無い枠と馬場続きでは。


彼の出るレースで予想しているときに「もしや」と思ったことが何度もある。スマホの出馬表を
スクロールして、下の方に現れた彼の名にガックリしていたのは私だけじゃない。多分陣営も枠番を
聞いてはガックリしていただろう。
枠と天気予報に陣営のモチベーションも左右されていたと思う。

悪い言い方だけど、その時点でレースを捨てていたという可能性、無くはないんじゃないか?
9歳ではそんなことも言ってられないだろう、レースを捨てるなんて場合ではないだろう、普通の馬の
ファンならそう考えるところだろうが、彼に限って言えば、欲しい条件が足りないだけでそうなっても
全然おかしくないんだよな。
カードが揃わない状態での勝負を徹底的に逃げてきた、そんな見え方もできてしまう。


そして、今年の京都大賞典。4年前に制した舞台に、完璧とは言えないまでも欲しいカードが揃った。
いや、揃ってしまったと言っていいだろう。


土曜まで降っていた雨のせいで渋った京都の馬場は日曜に乾いた。これが日曜のレースなら水気が残って
しまっていたかもしれないが、天気がいたずらしなければ月曜はより乾いた馬場で迎えられる。
珍しく日程と天気が彼に味方したんだ。
そして、最大の問題となる枠。あの有馬記念以降、彼は9番よりも小さい数字を引き当てられなかった。
今回彼が収まる枠は、4枠6番。
できればもっと小さい数字が良かった、しかしこの数字は陣営やファンにとって「いける」と思わせて
くれるに充分なものだろう。何故なら、その彼の背には小牧太が居るのだから。
何人もの騎手を背にしてきたが、彼の手綱を誰に任せたいかと問われたら真っ先にその名を言うだろう。
小牧騎手ならば9番枠まではなんとか捌ける。昨年の目黒記念では10番枠の彼で一度は先頭に立ったが、
外のマリアライト、クリプトグラムのキャロット2頭のしぶとい伸びに屈してしまった。
とにかく内に入れることにかけて、彼のハンドリングを任せて小牧騎手ほど心強い男はいない。それが故に
枠が外過ぎるとアッサリ引いてしまう部分もあった様に思える。それこそ、レースを捨てているんじゃないか
と私に思わせたのもこのコンビだったりする。この枠なら、小牧騎手はレースを捨てない。

直線が平坦な京都、開幕週の素軽い良馬場、欲しかった内側の枠、乗ってほしかった騎手。
最近の彼に無かった運が、溜め込まれて放出されたような状況。
カードが揃ってしまった。


・・・これでもう、言い訳はできないということだ。


もちろん、彼を応援し続けてきた私にとっても、これほど期待できる状況は久々なんだよね。
まず鞍上小牧がアナウンスされた時点で軽くガッツポーズしちゃったもん。
このローテーションも4年前と同じで縁起がいい。11頭立ての宝塚記念でシンガリ負けした後に、この
レースでゴールドシップらを打ち破ったんだよ。その時とは年齢が4つも違うけどさ。
秋初戦とは言え先の本番では相手もより強くなるだろう、だとしたら彼にとって、ここが本番なのでは?

実際そうだと思う。ここで、この状況で大敗したらもう「次は」とは言えないだろう。

かつてトウカイトリックが10歳でステイヤーズSを制し、南関でフジノウェーブが11歳で東京スプリング
盃の4連覇を達成した。でも彼はちょっと同じ括りにはできない。そういう老練さが無いんだよなぁ。

実は私自身、彼は衰えてきてしまっていると感じている。
外枠でレース捨ててるとしたら、最近のレースはノーカンと見れるのでは?そう言われるかもしれない。
実は私が彼の衰えを感じてしまったのが、昨年の京都大賞典だったりするんだよ。レース回顧を見れば
解ってもらえると思う。
確かに去年のこのレースでも不運なことにピンク枠。でも10頭立ての9番ならば捌きやすいハズだと予想し、
それに応えてくれるかの様に小牧騎手は見事な判断でインの6番手を取ってくれた。
先頭からもそこまで差のないポジション、これで直線を向けば彼の末脚の前にキタサンブラックだって
成す術もなく交わされるだろうと。
結果は5着だった。8歳なのにキタサンブラックからコンマ4秒差で掲示板確保ならば褒められたものだろう、
そういう声も多かったが、そんな中で私は落胆していたんだ。
ペースが上がった時に、前について行けなかったんだよ。
結局のところ、あのレースでは5着と言っても先に出たアクションスターをぎりぎり鼻差捕らえてのもの。
スローで前の脚色が鈍らず、一斉スパートになった時にあの反応では厳しい。ゴール前の100mくらいでは
いい脚になってるんだけどさ。

今年の状況としては、キタサンブラックみたいな横綱級は居ないし、去年よりも内側だし、馬場も昨年と
同様に軽い馬場になるんだろうなと想定すると希望は持てる。
そんな希望が持ててしまうだけに、結果が怖い。


このメンバー、この状況で大敗を喫してしまう様なら、もう諦めた方がいいのかもしれない。


私がそんな事を考えてもしょうがないんだけど、やっぱりそういうイメージをしてしまうと苦しいよ。
強かった彼の弱々しい姿はできれば見たくない。その言い訳が今まではできたけれど、このレースでは
それができない。
もちろん、ここならって信じて全力で応援するさ。それでもシビアな考えも生まれてしまう。
彼のことが大好きだし、希望もまだ持ってるから、逆の場合のネガティブが不安を駆り立てるんだ。

高齢な競走馬に対して向けられるのは、基本、暖かい声援が多い。
でも厳しい意見も多く目に付く。彼に対してもそうだ。

「引退させてやれ」
「まだ走っていたのか」
「もう無理でしょう」
「枠の無駄」

これを単に心無い言葉とするわけにはいかない、彼に関しては特にそうだからだ。そう言われて当然の
成績を近走で残してしまっている。得意条件が云々と反論することはできない。
ただ、このレースが終わるまでそう言い放つのは待ってくれ。その誰でも解る正論が痛いんだ。
彼には、その誰でも解る正論を跳ね返してほしい。


そしてもしも、いや、多分勝ってくれると思うけど。
この京都大賞典を彼が制したならば。
ここを「有終の美」としてあげてもいいのではなかろうか。


オーナー、陣営の判断に任せることになるけど、私はその結末でいいと思うんだ。
確かにここを勝てるようなら天皇賞も見える。しかしまた条件が揃うか?彼はここが賭けになってしまう。
G1を勝つところを見たいって気持ちは未だに持ってるけれど、ここを勝てたらそれで充分だよ、私は。

どんな結果が待ち受けているかは終わってみないと解らないけれど、
私の様な彼のファンにとっては「覚悟」が必要な一戦になるだろう。

改めて出走メンバーを見ると一筋縄ではいかない。まず、内枠ならばと言ったところで本当に彼に求め
られるのが「好位の内ラチ沿いに無理なく取り付く」こと。
そう考えると、彼の内側に居る馬が攻略対象になってくる。厄介なのがサウンズオブアースだろう。この
馬が2番枠で控えるかどうか。控えるパターンで来るのであればこの馬より前のラチ沿いを取りたい。
恐らくシュヴァルグラン、スマートレイアーはある程度前目に位置しようとするハズ。スローが予測される
メンバーでこの2頭は下げないだろう。読めないのがミッキーロケットだ、連れて前に行ってくれれば助かる
ところだけど、控えて彼と位置がカブる様になると内に入れなくなってしまうかもしれない。
内にばかり気を取られてもいけない。すぐ外に居るフェイムゲーム、コイツが最高に厄介なのだ。この馬に
外からカブらされてインの前を取られたらレースはほぼ終了と言っていい。まず出所を失う。
内側に有力馬が揃ったことで外側の馬達が牽制を後目に奇策に走る可能性もある。内目の馬達が揃って後方に
なってしまうパターンになると最悪。カレンミロティックとハッピーモーメント辺りが外枠勢を連れてインに
カブせる様に先行してきたら、彼のポジションは相当後方になってしまう。

欲しいカードが揃ったところで、やはり障壁の多いレースになるだろうと予測できる。
あとは彼自身の気力と体力、そして小牧騎手の手綱に託すしかない。そう、小牧太に。


どうせ騎乗停止で天皇賞には騎乗できないんだから
ここで天皇賞の分まで出し尽くしてもらうしかない。

(何してくれてんだよ、おじき…それもあってここが「有終の美」でもいいって言ってるんだぞ!)


彼に対して、こうやって一人語りで思いを綴るなんてことになるとは思わなかったな。
彼が4歳の頃から惚れ込んで応援し続けてるけど、まさか重賞連続出走記録なんてものを作ることに
なるとは想像もしてなかったよ。多分現役馬の中では最も多くの騎手を乗せて走ったことのある馬にも
なるんじゃないかな?
本当に現時点でこれだけ怪我もなく長く走り続けてこれただけで凄い。
でも、多分もうすぐ引退の時はやってくるんだろうな。

断言できる。馬券とか抜きに、今まで競馬見てきた中で一番好きな馬だよ。
今までで一番、好きになれて良かった馬だ。

勝手に今回を最後のチャンスっぽく話してしまったけど、とにかく月曜日は彼を全力で応援します。
できることなら、もう一度喜びの涙を流したいな。
では、最後に直球をブン投げさせていただきます・・・



勝っておしまいなさい、
ヒットくん!!!!!





「悪い見本」管理人:TILTOWAIT



[ 2017/10/09 01:03 ] 雑感 独り言 | TB(0) | CM(2)

書き置き

久々に更新したらいきなりとんでもないことが起きてしまいました

当方、しばらく立ち直れそうにありません

コイツのせいです

zakuro.jpg


詳しくは前記事のコメント欄を見るといいでしょう

とにかくショックです、立ち直れないかもしれません

もう更新できないかもしれません
































とりあえず、セックスしてきます




「悪い見本」管理人:TILTOWAIT

[ 2017/09/13 22:04 ] 雑感 独り言 | TB(0) | CM(4)

おしらせ

えー、どうも。管理人のTILTOWAITです。

皐月賞&中山グランドジャンプでしたねぇ。競馬的にはハズせない週末でございました。

できることなら予想したかったですよ、ここをスッ飛ばす競馬ブログはなかなかございません。




ツイッターでモソッと呟きましたけど、ちょっと更新できなくなりそうです。今後も。




別にね、飽きたとか、そういうワケじゃないんですよ。

競馬はダイスキです。

勝てなくても楽しいものです、ダイスキです。

まぁ、勝てた方が楽しいのは間違いありませんけどね。


こう見えて先週は地方でヤラかしてますし。
トウケイタイガーはダイスキです。



で、ブログもダイスキです。

自分の意見でツッコミ食らいながらも当たらない予想して、それで玉砕して。

それでいいんですよね、むしろ「どうだ」なんて言うつもりないんだから。

むしろを重ねるならば、人と違うコト言って、どんだけ説得力持たせられるかが面白い部分ですよ。

それで結果が伴えばいいんだけど、真逆は真逆でそっちの方が面白がってもらえるし、

なんか自分でもヘタこいた方が後に繋がるし、

当てると逆に「アレ?やっちゃった?」って思っちゃうし。



・・・なんか、流れが最終回みたいになってますけど、そうじゃございません。



ただし、これが最後の更新になる可能性はあります。



ぶっちゃけますと仕事の都合です。

競馬予想もブログも時間が必要なものです、予想をブログにするとなると尚更。

その時間が削られる状況に陥ってしまいました。

あんまり詳しくは言えないけどねぇ・・・


某国の有事に対して携わっている
企業に関わってる方と仕事することに
なっちゃいましてねぇ・・・



お察しいただけたかな?

つまり、そういうことです。その辺の問題が盛り上がっちゃってるじゃないですか、盛り上がっている内は

結構お仕事が満載になっちゃったんですね。

色々なカラミがあるんですよー、あの問題。

輸入出でしょ、催し物でしょ、旅行関係でしょ、旅行関係でしょ、旅行関係でしょ、旅行関係でしょ・・・




でっけぇ船でのセレブの旅行関係でしょ・・・




おっと、ここまでにしとこう。

とりあえずそういうことですよ、あの件で慌ててるのは政府や国防だけじゃないんです。

民間企業だって大変なのだ、煽りを食ってるし楽観を断言できないんだから対策しなくちゃならない。

まぁ、安心を断言してる人も居ますし、私もなんだかんだ言ったって何も起きないんじゃないのって確率の方が

高いと思ってますし、ミサイル発射失敗だって「わざと」だと思ってます。

でも決めつける根拠も権限もない。

仮説を作れば変な話、G1開催が続く競馬場だって怖い場所になっちゃう。

そうなると、なんかしなくちゃならないのですよ。



メッチャ愚痴ですよ、コレ。



もしも、もしも有事が発生した場合は最終回になっちゃうかもしれません。それは多分、JRAだって同様だよねぇ。

有事が無くても多分、ゴールデンウィーク一杯までは確実にキツイです。

ただ、慎重を要している人達をバカにしちゃいけませんよ。

これって過去の軍事事例とかじゃなくて、東日本大震災を経験したからこその「想定外」への怯えなんです。

当然だと思います。怖いものは怖い。可能性はゼロじゃなければ可能性アリになる。そういう話を、

・・・


やめときましょう!!



とりあえずまぁ、そういうことで。


できれば天皇賞やかしわ記念の予想を楽しくやりたいな。

確実にそれができる日を迎えられればいいなって思ってます。バカですね、我ながら。

やっぱり私用だと競馬が結構大きな楽しみになっちゃうんだもんね。



皆さんも、我々が何事も無かったかの様にアホみたいな予想をまき散らす日を望んで頂ければと思います。



俺ももうヤダ、こんな状況!!





[ 2017/04/17 03:24 ] 雑感 独り言 | TB(0) | CM(12)

今は気が済むまで叫べ、友の名を

すんません、間隔空いちゃいましたね。

ちょーっと肉体的にも精神的にも色々きちゃう2月末になっちゃってるんで。
本当にバレンタインからケチがついてるねぇ・・・

私の突き指はとっくに治ってるんですよ。土曜の夜に飲み会があって、そこでお酒飲んだら帰宅後に
めっちゃズキズキしだしたんで、『これやっぱ折れてるんじゃないか!?』って思って、日曜に痛みが
引いたものの月曜に再度病院に行ったんですけど、全く異常ナシ(二度目)でした。

競馬関連でも先週末にはゴールドアリュールの急逝という悲しいニュースがありました。
だからこそフェブラリーSの予想はブログとしてやっておけよ・・・ってところだったんだけどねー、どうしても
異常ナシの指が痛くて痛くて。

そんなフェブラリーS、父へ花を贈るゴールドドリームの勝利は美しかったねー。
我々は同じゴールドアリュール産駒でもコパノリッキーの方を応援していたんですが惨敗しちゃいました・・・
ちょっと今回のリッキーの負け方は流石に衰えが見えると思うよ、ちょっと言い訳しにくい負け方だもん。
状況に得意不得意がある馬ではあるけど、だからと言って『次こそは』とはなかなか言えない感じに見えたなぁ。
その分余計に、若いゴールドドリームの根性が光って見えたっていうか、父への手向けの勝利が美しかった。
二頭のゴールドアリュール産駒の世代交代になっちゃうのかな、何にしろ偉大な競走馬であり種牡馬でした。
サンデーサイレンス産駒の種牡馬で、ディープインパクト、ステイゴールド、フジキセキ、そしてゴールドアリュールには
もう独自で系統付けちゃっていいんじゃないでしょうか。
これからは天国から息子たち、孫たちの活躍を願っててほしい。ゴールドアリュール、今まで本当にお疲れ様でした。

・・・そんなフェブラリーSのあった日曜日、もう一つの重賞競走がありましたよね。
小倉大賞典です。


常連読者さんは覚えてるかなー、昨年のこのレース後のハナシ。
昨年のこのレースの後はね、弟子が本当に嬉しそうだったのを、私はよく覚えています。


でも、毎年必ず同じようになるとは言えないんですよね・・・
そして21日に、彼の引退を知ることになりました。


ダコール



ダコールは、この小倉大賞典を最後に7年間の競走生活にピリオドを打ちました。
今後は南相馬で乗馬として、第二の馬生を歩むことになったそうです。


これが、今回ちょっと間隔を頂いた理由の最たるものになりますね。やっぱり弟子が元気なくなっちゃって。
実はねぇ、小倉大賞典のレース中に、既に弟子は辛そうだったんですよ。
無理もないよねぇ、もう出走前からイヤな状況が集まってたもの。相変わらずのトップハンデ58㎏、馬体重は
絞れたというよりも落とし過ぎな-20㎏、枠は外から2番目の15番・・・
いくら大好きなレースとはいえ、9歳でここまでマイナス要素が重なったら例年通りとはいかないよねぇ。
弟子も大好きな馬だから、何か解るんだろうな。スタートはまずまずだったけど最後方まで下げたでしょ、別に
それは珍しいことじゃないんだけど、この時にもう泣きそうになってたんだよね。

「だこぉ、もっと前に行って!!」

切なそうに応援してたよ、この子。控えたのではなく、馬群についていく脚がないんだと悟ったんだろう。
確かに先団のペースは速かったけれど、そうして縦長になった隊列の離れた最後方を走るダコールに、今までと
違う何かを感じちゃったんだろうな。
それでもダコールは最後に意地を見せてくれました。直線に向いた時点で勝てないことはほぼ確信できる位置だった
けれど、そこから上がり3Fはメンバー中最速の末脚を繰り出しての10着入線。
あれだけのマイナス要素を抱えながらも、末脚は健在だと見せてくれた。
ならば状況さえ好転すれば・・・そんな話をレース後に弟子にしたんですが、やっぱり元気が無くてね。

8歳、9歳となると、『次こそは』と軽々しく言えなくなる。
いつ引退になってもおかしくない。それを解ってるから、その予感を持ってるから、このレースが終わった後に不安で
しょうがなかったんだよな。

弟子にとってダコールは、今まで最も長く応援し続けてきた馬なんだよね。
フジノウェーブやトウカイトリックは高齢を迎えてから知り、高齢だからこその頑張りに心を打たれた馬であり、
そこに敬意みたいなものを感じて応援していたハズ。

でもダコールは違う、弟子がダコールに対して抱いていたのは恐らく友情だ。ダコールは弟子の友達なのだ。
フジノウェーブにもトウカイトリックにも親しみはあったけど、ダコールに対する様な気楽さは無いんだよね。


だからかな、引退という言葉でここまで弟子が取り乱したのは初めてですよ。


まぁ、あの2頭は引退した年齢がズバ抜けてたし、素直にお疲れ様って言えたのは間違いない。
でもダコールだって9歳だ、それに常に予感は持っていた。いつまで応援できるか解らなかったけど、もうすぐ
なんじゃないかと覚悟していたつもりだったろう。
なのに、弟子はダコールの引退に対して、涙ながらにまずこう言ったのだ。


「ヤダ!!」


引退してほしくないんだよな。
そして、引退してほしくないけどしょうがないと認めることができないんだよ。
他の馬ならこうはならない、ダコールだから引退するのがイヤなんだろう。
もう、レースで『だこおおおお!!』と応援できなくなってしまうのが、たまらなく寂しいのだろう。

でも近々来るであろう日と解っていたから、信じられないことではなかった。
唐突なニュースに対する『嘘でしょ・・・?』って反応ではなかったな。

普通、そういう思い入れのある馬でも引退に関して言えば『お疲れ様』とねぎらいたくなるものだ。
決して悲しい別れではないし、楽しませてくれたことに感謝しなきゃって気持ちになる。
それにまず、引退を決めるのは我々ではないし、ジタバタすることもできないし、受け入れるしかないでしょ。
今回のダコールの引退も最近の成績を見れば納得できる。堅実派である彼が4戦連続で2ケタ着順になってしまった。
小倉大賞典も悪条件が重なったとは言え、9歳でここから巻き返すのも困難だろうとオーナーや陣営が判断するのも
理解できる。冷静になればそう見れる。

でもね、弟子にはそれが無理なんだよね。そうするつもりだったかもしれないけど、いざ実際にダコールの引退を
知って最初に出てきた言葉が「ヤダ!!」なんだから。
まるで、転校する友達に「行かないで」と泣きつく子供みたいになっちゃってさ。

弟子が残した悔いも大きいんだよなぁ・・・
一昨年の新潟大賞典。ダコールの最初で最後の重賞制覇ね。
このレースで弟子はダコールに本命を打ちながらも単勝を買わず相手ヌケ。せっかく大好きなダコールが初の重賞
勝利を飾ったにも関わらず、予想で『だこーは2着や3着がスキ』と言ったことに激しく後悔するハメに。
テナンゴくんから『2ちゃくや3ちゃくがスキなうまなんていないのですよ』と説教されて悶絶してたっけ。
このレース以降、弟子は必ずダコールの出るレースで単勝を買い続けてたんだよ。
結局この悔いを取り返すことができなかったのが、本当に悔しいみたいです。
で、普通はそこで馬のせいにしないんだけど・・・


「単勝取らせてよぉ!!だこおおおおお!!」


って泣いてるんですよ・・・こうなっちゃうのも、弟子にとってのダコールだからなんだろうなぁ。
今もねぇ、デシちゃんはここに居るんですよ。ええ、スネた様な顔してます。
その新潟大賞典の映像を何度も見て泣き倒してます。
これだけ嬉しさと悔しさを同時に感じられたのも貴重な経験だよな、コイツ・・・





一緒にダコールの思い出話をして、南相馬に送り出してあげようよって言ったんですけど「ヤダ!!」
一点張りだもん。
でも、さっき話はケリがつきました。

南相馬ってことは、有名な相馬野馬追祭りに参加するかもしれない。
乗馬になるってことは、実際にダコールに会って乗ることもできるかもしれない。
テレビで彼の雄姿を応援することはできなくなってしまうけど、今までよりも近い友達になれるかもしれない。

簡単には約束できないけど、そういうチャンスが作れたなら行ってきなって、弟子に言いました。
涙流しながら『絶対いつか会いに行く』って言ってます。

できれば私も一緒に会いに行けたらいいな。私もダコールは大好きなのだ。
そして、弟子にこういう気持ちを与えてくれた彼にお礼を言いたい。今まで他の馬達には生まれなかった感情を
彼は作ってくれた、本当に大事な気持ちだと思う。


最後に、弟子からダコールへ向けて。
もう言葉ではなくてもいいだろう、その叫びの方が色々と気持ちを込めることができるんだろ?
ならば、その色々な気持ちを込めて、ダコールに向けて叫ぶといいだろう。気が済むまで。
じゃあコレが叫び納めだ、全部出し切りなさい。





弟子
「だこおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおお
 おおお!!!!!!!!!」






俺「・・・本当に会った時に、そんな絶叫しちゃダメだからな。」
弟「だこ!!」






「悪い見本」管理人:TILTOWAIT&弟子






[ 2017/02/24 00:24 ] 雑感 独り言 | TB(0) | CM(0)

Sing with joy

週末の競馬は皆が楽しみにしているものだと思う。
純粋にギャンブルとしてだったり、スポーツとして好きな馬や騎手を応援したり、楽しみ方は人それぞれ。
だから、なるべく終わった後はどういうカタチであれ笑っていたいものだ。

ここでは競馬だけではなく、よく大相撲の話もする。
日曜日は初場所の千秋楽だった。稀勢の里関は既に優勝を決めていた中で行われる、白鵬関との結びの一番。
土曜のブログで私はこう言った、白鵬に勝って優勝するのと負けても優勝と言うのでは大違いだと。
恐らく白鵬関は稀勢の里関を圧倒してやろうと考えていたのだろう、普段の彼とは異質な鬼気迫る寄りに、一気に
土俵際まで稀勢の里関は追い詰められた。
やはりこうなってしまうのか、そう苦笑した矢先に稀勢の里関は僅かなスキ、白鵬関の体が沈み込み過ぎ、力が
逃げる体勢になったところで一瞬のすくい投げを放ち逆転。
あの攻めを堪えられてなければできない逆転劇に、ようやく心の底から言いたかった「優勝おめでとう」を彼に向けて
贈れる。本当に清々しい勝利だった。
でも、未だに「まだ横綱決定にはもう一場所見てほしいなぁ」って思っちゃうのは厳しいのだろうか?

そして夜、全豪オープン。
世界屈指の強豪、元世界王者フェデラー選手と対峙した錦織選手の姿があった。
第1セットの立ち上がりは錦織選手が猛攻、しかしフェデラー選手が徐々にピッチを上げてくる。
そんな第1セットはタイブレークまで持ち込まれてイヤな空気を感じた中、なんとかこのセットを掴み取った。
これはもしかして、あのフェデラーに勝てるのでは・・・?
しかしそんなに甘くはない。レーザーの様なサービスが唸りをあげてコートの中央をバンバン貫いていく。
これが世界の頂点を極めた男のサーブか、他の強豪達が序盤で姿を消した全豪オープンは優勝のチャンスだった
とは言え、やはりトップランカーの本気には敵わないのか。
第2、第3セットは一度もブレークを決められず、第3セットに至っては6対1というゲームスコアに終わり、ここで
フェデラー選手という相手には敵わないと思った人も多かったと思う。

しかし錦織選手のサービスゲームだった第4セットの第4ゲーム、見ていた人はこのセットを見れたことを幸せに
思っているだろう。正に死闘だった。
ダブルフォルトを出してしまった苛立ちでラケットをコートに叩きつけてしまう場面もあったこのセット、その後に
調子を取り戻した気がするのは私だけだろうか?
サービスゲームをキープできてこそ、という部分がテニスにはあるが、このゲームは何度もピンチに陥りながらも
懸命に我慢をした。5回のアドバンテージ、7度のデュース、フェデラー選手にアドバンテージが渡る度に訪れる諦めを
錦織選手はひたすら我慢し、最後のアドバンテージをものにした。このゲームがあったからこそ、セットポイントを奪い
最終セットにまで勝負を持ち込めたんだと思う。
メディカルタイムアウトを取り、満身創痍の体を何とか動けるようにして挑んだ最終セットではフェデラー選手の
一方的な展開になってしまい、結局は敗退してしまった。でも、この第4セットを見てる最中は手の平が常に汗で
ビッショリしていた。

スポーツを見てて思うけど、テニスという競技は数あるスポーツの中でも本当に過酷だと思う。
この試合も3時間をオーバーしている。フルマラソンに要するよりも長い時間を、コートの中でほぼ延々と全身を使って
動き続ける。時速200㎞のサーブを放ち、打ち返すのだから、腕に掛かる負担は尋常なものではないだろうし、左右に
揺さぶるラリーでは急激な瞬発力を何度も使うことを足に強いられ、それをフルセットまで続ければこれだけの長時間、
そんな動きを繰り返さなければならない。
そんな戦いだからこその美しさというのがテニスの魅力なのかもしれないなと、この試合を見てて感じた。

相撲にしろテニスにしろ、こういう試合が、戦いが見たいと思って観戦しているのは私だけじゃないハズだ。
今日の初場所千秋楽と全豪オープンは、いずれもそんな私の希望に応えてくれた。いいものが見れたとつくづく思う。
しかし、時としてスポーツは、こういう場面は見たくなかったと思わせることもある。


AJCC、第4コーナーから直線への立ち上がりで、シングウィズジョイが躓いてかなり激しく転倒してしまった。
競馬を見てて何度も思う、見たくない瞬間だった。


落馬事故にこういう言い方は不適切かもしれないが、壮絶だった。
何よりも倒れ込んだシングウィズジョイが起き上がれなかったこと、それが本当に辛かった。
ツイッターでは様々な現地情報が交錯していた。
現地では彼女に「立って!!」とか「起きて!!」と声をかけていた方も居たそうだ。泣いていた方も居たらしい。
起き上がったルメール騎手がちらりと、横たわった彼女に向けた悔しそうな視線が悲しかった。

私は交錯する情報の中、ただただ公式の発表を待った。
現地からは目隠しシートが持ち出された時点で諦めを感じさせる声が、ネットで彼女の安否を追う方からは、
診療所に運搬され、骨折はしていないが立ち上がれないという情報が流れた。
私は後者を信じていたんだけど・・・午後6時、JRAが彼女の予後不良を公式発表した。

シングウィズジョイと言えば、私にとっては久々の万馬券をエリザベス女王杯でもたらしてくれた女神様。
いや、それだけじゃないんだ。彼女には何かと思い入れがある。
思えば2歳の頃から彼女の名前が好きだった。アルテミスSではどんな馬かも解らず名前だけで本命にしていたっけ。
あと未だに覚えてるんだけど、オークスの時にシングウィズジョイとココロノアイが隣同士の枠に入っててさ、
それをテレビで見てて、2頭続けて名前呼ばれると出来の悪いヒップホップみたいで。何かと自分の中で引っかかる
部分があった馬だったからこそ、エリザベス女王杯であんな強気に本命打てたのかなって、振り返るとそう思える。


楽しそうに歌うなんて、いい名前じゃないか。


そんな彼女の最後の姿が、あれだけ痛々しく終わるのはおかしい。
先ほどの後者の情報を信じたかった、名前の通り鼻歌でも唄いながらケロッとした顔して戻って来るだろうと。
でも結局、その願いは叶わなかった。

先ほど言ったが、予想もそうだけど、競馬だけじゃなくてスポーツには自分の理想を望んで見ている部分があるハズだ。
誰だって馬達の不幸な姿を想像して予想なんかはしていないだろう。
こういう場面は本当に悲しい、でも起きてしまうこともある。競馬ファンの辛いところだ。人間ではないとは言え、
それが生命に繋がる率が他のスポーツに比べて格段に高いのだから。
相撲もテニスも、絶対にとは言えないが命を失うことはまず無い。

彼女の事故後、ツイッターではある揉め事が起きてしまった。
あるアイドルがAJCCの馬券を当てた喜びをツイートしたことに対し、「シングウィズジョイが大変なことになったん
だぞ、心配くらいできないのか」と、それを見た人達が次々に噛みついてしまったのだ。
気持ちは解らないでもない、アイドルが競馬好きと公言してくれるのは広報だ。そんな立場なのだからもう少し
気を遣うべきだとは思う、ああいう事故の後に絵文字でデコってただ喜ぶのは、公人としていかがなものかと。

でも、正直そういうところで第三者として過敏になるのもどうかと思うのだ。
いや、以前の私だったら同じリアクションをしてしまっていたかもしれない。
でも結局、互いの道徳感の押し付け合いって、あまりにも傍から見ていて「なんだかな」って客観視することが
多くなったので、そう思ってしまうのだろう。
まぁ、中にはこういう事故のことを笑って見れる人も居て、なるべくそういう人とはお近づきにはなりたくないのが
正直なところではあるのだが。
この問題とデマはこういう事故が起きる度に必ず発生するので、個人的には波風を他所に置いておきたいのに目に
付いてしまうから厄介なもの。

楽しみにしていたレースで、悲しい事故が起きてしまう。
大好きだった馬がそうやって旅立ってしまう。

今に始まったことではないけど、そういう出来事は決して流さずに心に留めておき、その上でこれからの競馬を見守る
ことが、競馬の為にも大事なことだと個人的には考えている。
ある意味、ドライな方がギャンブラーとしては向いているのだろうが、まず自分自身をギャンブラーだと思っていないし、
どうしてもこういう出来事は悲しくなってしまうし、散ってしまった彼女にはちゃんとお礼とお別れは言ってあげたくなるし、
まぁ私はそれでいいのかなと思っているし、否定される筋合いもないとも思っている。

今更だけどAJCCの1~3着はいい結果だったと思う。
リアファルの失速は心配なところだけど、勝ったのが当世代の強豪と言えるタンタアレグリア。久々でもやっぱり強いって
ところを見せてくれた。2着は中距離の堅実派がすっかり板に付いてきたゼーヴィント。なんか突き抜けきらない印象もある
けれど、どんな相手でもコースでもそれなりの走りをする辺りはG1の善戦マンになれるかもしれないって感じだ。正直言って
G1馬になれるとは思ってないけど・・・
驚いたのはミライヘノツバサの3着。先日の予想でも言ったけど、このメンツでは足りてないと思っていた。例えコースと距離が
得意と言ってもまだまだなんじゃないか、そう予想していたけど4着を離して見せ場充分の3着だもんね。
こういう先行馬が力を付けてきてくれると、ここから先の古馬戦予想が楽しくなってくるハズだ。中山以外でもこういう走りを
見せてもらいたいな。
未来への翼なんて、いい名前じゃないか。

シングウィズジョイの最後のレースになってしまったAJCCだけど、紅一点で果敢に挑戦してきた彼女の分まで、
今日を共に走った彼らには頑張ってもらいたい。もちろんエリザベス女王杯の面々にも。

今は彼女が、苦しみから解き放たれてその名の通り天国で好きなように歌いながら駆けていることを願います。
多分彼女も自分のことで言い争う人達なんて見たくないんじゃないのかな。

エリザベス女王杯、頑張ってくれてありがとね。スゲー嬉しかったよ。びっくりしてキョトンとしちゃったくらいだ。
もっとシングウィズジョイがその名前通りに楽しく走るところを見たかったけれど、これからは貴女の分まで他の馬達を
応援させてもらいます。
勝手に、そうした方がいいだろうなと思ってるけど、それでいいかな?
同じ厩舎のマカヒキは多分これからもいじっちゃうだろうけど、許してくれるかな?

本当に今までありがとう、お疲れ様。今はどうか安らかに。
シングウィズジョイへ、合掌・・・






「悪い見本」管理人:TILTOWAIT




[ 2017/01/23 00:39 ] 雑感 独り言 | TB(0) | CM(5)