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【閲覧注意】おるすばんヒカリさん

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[ 2016/05/17 00:00 ] 競馬怪談 | TB(0) | CM(14)

競馬怪談「最終の亡者」

俺「カネトシディオスとかムリがあるっしょ。」
弟「わぁい、コアレスピューマが勝ったぞぅ!!」



東京スプリント 結果
1着 ダノンレジェンド → 俺&弟子◎
2着 シゲルカガ → 俺切った 弟子▲
3着 ノーザンリバー → 俺○

俺▲カネトシディオス 12着
弟子☆コアレスピューマ 9着



俺「なぜだかこの部分が今回一番悔しい・・・」
弟「ボクもなぜか、この部分が一番ウレシイ。」
俺「まったくオハナシにならなかったじゃないか!!」
弟「・・・当たり前ですよ、ある意味。マジで期待してたんですか?」

俺「-11kgって見た時、『ほほぅコレは勝負ですね』って。」
弟「マジで期待してたんですね・・・」

俺「ゲート出た瞬間にもう終わっておりました、まともに追走できませんもの・・・」
弟「ムチャな狙い方してたんだからしょうがないって。勝ったダノンレジェンドは強かったですね。」
俺「ダノンレジェンド。」
弟「・・・」

俺「カネトシディオスばかり見てたので。」
弟「それじゃ勝ち馬は見えませんね・・・」


俺「・・・それはジョークとしまして、ダノンレジェンドね。ダート短距離での世代交代を感じさせる古豪撃破だったね、2着も
  4歳のシゲルカガ。思いのほか楽に先頭のまま直線向いたけど、古豪勢は勝負どころでこの2頭に置かれる形になって
  しまってはキビしかったな。」
弟「グレープブランデーは終始追っつけっ放しでした、流石に1200mのペースは忙しかったか・・・」
俺「それでも58kg背負って4着に踏ん張ってるからな。この流れを経験したのがイイ方向に向けばいいんだけど。」
弟「地方最先着は5着のジョーメテオ。ピンクさんの手綱だ、頑張ったぞ。」
俺「やっぱりこの馬は、ちょっと上のクラスの馬との戦いの方がペースが合うんだろうね。着差はできちゃったけれど大外
  から伸びてくるピンクの勝負服にはファンも感激でしょう。」
弟「もしかしてなんですけど・・・ピンクさんはダートグレード初掲示板なのでは!?」
俺「・・・何を失礼なコトを。」
弟「ありゃりゃ、違ったか。」
俺「でも確かに、お前が競馬始める前だったからな、最後の掲示板は。2007年のマーキュリーカップで中央馬のエイシン
  ロンバードで3着、それ以来のダートグレード掲示板だね。」
弟「おおー、ピンクさん!!ごぶさた掲示板です!!」


俺「でもピンクさんは中央重賞も勝ってるのよ。」
弟「うそー!?!?」


俺「2002年に、現在のラジオNIKKEI賞であるラジオたんぱ賞をカッツミーという馬で勝利しているのだ。」
弟「おお・・・そうだったのか・・・」
俺「コレがなかなかメチャクチャなレースでして。見たことがない方は是非ご覧下さい。」





弟「・・・この勝ち馬の騎手がピンクさんですか。」
俺「ええ、間違いなく内田利雄騎手でゴザイマス。勝負服がいつものヤツじゃないですけど。」

弟「実況大パニックじゃないですか。」
俺「ピンクさんのせいで実況がパニックになりました。」



★今日は寒かったですけど

俺「暦の上では春真っ盛りのハズなんだけど。」
弟「桜も大分散ってしまった後にこの冷え込み。体調狂っちゃうよ。」
俺「今は寒いけど、コレが過ぎたらグワーって暑くなったりしそうだよなぁ。なんか季節の変化が急な感じするし。」
弟「ちょっと気候がオカシイですよねぇ、やっぱり地球環境の変化なのかな?温暖化とか。」
俺「少なからず影響してると思うよ。」
弟「ちょっとおっかないですね。」
俺「週が明けたら真夏日になったりしてもおかしくないよ、こういう気候だと。」
弟「あああ、そういうコトになってもおかしくないって気はします。」


俺「だから怪談話してやんよ。」
弟「持って行き方が急だよ!!」



俺「四捨五入すりゃもう夏だよ。」
弟「ドコをどう四捨五入したのさ!?」
俺「すっげぇ久しぶりだな、このジャンル話すの。」
弟「やめようよぉ、だって今日は寒いんだよ?皆だって『こんな時期に怪談聞かされましても・・・』ってなるに決まってるよ、
  だから、ね?」
俺「う~ん、確かにそうなんだよね。」
弟「ものわかりのイイ師匠で助かっちゃうなぁ♥」


俺「マジでシャレになってないヤツだからなぁ・・・」
弟「やめましょう!!!!!」


俺「・・・」
弟「やめよう!!それがいい!!そうしたほうがいい!!そうだ師匠、今日は甘くておいしいお菓子のハナシにしようよ、
  ねっ♪ねっ♪」
俺「・・・」

弟「見てる読者さん達もねー、こんな寒い日にさー、怪談話してもさー、『何コイツ、寒い時に寒いハナシして何なの?頭が
  悪いのかな?』って思うんだよ。怪談話はもっと暑くなってからでしょう、今はまだシーズンじゃないんですよ。夏が近い
  って言っても今は夏じゃないでしょう?初夏ですらないでしょう?今は春真っ盛りなんです。そうだ!!やっぱりココは
  甘くておいしいお菓子のハナシにしましょうよ♥ボクねぇ、詳しいんだよ♪逆に教えてあげてもいいくらいに甘くておい
  しいお菓子に詳しいんだよ♪」

俺「お前ってさ・・・」
弟「なぁにですか?」


俺「必死な時の口数すげぇな・・・」
弟「必死じゃないですよ、超余裕ですよ!!」



俺「こわいの相変わらずキライなのね。」
弟「ふふぅん、ボクはもうオトナですからね。そんなユーレイだとかサンタクロースだとか信じてませんし、ドーナツ食べながら
  ホラー映画見てオホッホウ♪インテリスティング♪とか言ってやれちゃうんですけどね、そんなボクが今、怪談話なんか
  してもどうしようもないって言ってるんですからね、超余裕なんですからね!!」
俺「おっかないのキライならやめとこう。」
弟「わぁい師匠、おりこうだね!!」


俺「・・・おっかながってるじゃねぇか。」
弟「おっかないんだからぁぁぁ!!」



俺「・・・流行りに乗ったら負けだぞ。風化するぞ。」
弟「カイダンヤメナイ♪カイダンヤーメナイ?」
俺「乗らねぇよ。」
弟「クソッ!!」

俺「自分で出口塞いだ感じだけど、桜花賞で『キャットコインだからぁ~♪』とは言いませんからね。」
弟「よし、じゃあ怪談やめて今から桜花賞予想にしましょう!!」
俺「・・・季節はずれなのは承知の上だよ、それにお前がなんで俺に怪談話させたくないかも知ってる。」
弟「・・・」

俺「仕事で携わった『マジ系』の話は、したくてもブレーキが掛かる
  レベルのヤツばっかりだ!!」

弟「色々な意味でボツです!!!!!」

俺「安心しろ、そういう系統じゃないよ、仕入れた話じゃない。」
弟「そうなの?」
俺「俺が見たモノの話だ。」
弟「一番ウソくさいな。」

俺「こないだの日曜の話だ。」
弟「!!!!!!!!!!!!!!」


俺「新鮮なハナシだから新鮮な内にしないと。」
弟「ふぇ!?こないだの日曜!?こないだの日曜って言うと、大阪杯とダービー卿CTがあって、後藤騎手のセレモニーが
  あった、その日曜!?」
俺「そう。」
弟「ひょっとして後藤騎手が戻ってきたんですか!?」
俺「そうだったら良かったんだけどね。」

弟「・・・ちがうのかぁ。」
俺「しかしまぁ、戻ってきたってのはイイ線いってるね。」
弟「・・・誰かが戻ってきたの?」
俺「戻ってきたというか・・・」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【最終の亡霊】


私は結構、競馬を「ぼんやりと」見る。


ここで予想している重賞競走や馬券を買ったレースは力を入れて見るけれど、それ以外のレースは
そんなに力まずに見ていることが多い。
そんなレースでたまに直感的なモノを感じたりする馬に出会えることもある。ああ、この馬はこれから
追いかけても面白いことになりそうだ、そんな馬に出会えると、次に会うのが楽しみになる。

平場の条件戦や新馬戦は、割とそういった出会いや発見を求めて見ていることが多い。
何しろそういうクラスの馬たちに対し知識が無いのだから、最初から力んで見ることは少ないのだ。
そして、そういったモノは感じようとして感じられるものでもない。

そういったこともあって、この度JRAのホームページで全レースの動画が見れる様になったのは結構
ウレシイことだ。
ぼんやりレースを眺めて、そこで気になった馬が居たらすぐにもう一度見直すことができる。
お金を使ったレースはなるべくリアルタイムで見たいけれど、買っていない条件戦などは後でまとめて
一気に見直したいって性格なのだ。


この前の日曜も、リアルタイムで見たレースはメインと準メインだけで、その後はすぐ出かけてしまった。
時間がある時に他のレースは見ればいいという判断だ。


ぼんやりしながらレースを見ている時間は結構幸せなものだ。欲が無い分、純粋に競走として見る
ことができるので、馬の強さや美しさを個人的な主観ではあるが得ることができる。
あまり次回の予想材料にしようって目でも見ていないので、単純に一目惚れがそこに生まれるか
どうかが最重要になってくるのだ。

日曜の深夜、私は一人でのんびりと土日のレースを振り返っていた。
いつも通りぼんやりと。


・・・一応今回、怪談と銘打ってはいるけれど、話で伝えられるものは少ない。
私が見たものと同じものを見て頂くのが一番手っ取り早い、クチで色々言うより説得力がある。


そう、その日曜のレースで私は「そこに居るはずのない人」を見てしまった。


見た瞬間は動揺を隠せなかった。それまでぼんやりと見ていた私は完全に硬直した。
手元の新聞を見ても彼の名はない、何故ここに居るんだ・・・?
彼の無念が具現化した姿なのだろうか・・・?
だとしたら何故ここなのだろうか・・・?


どうして阪神の最終にあなたが居るんだ!?


・・・あまりにもはっきりと映し出された彼の生霊の姿は、モニターを見る私を恐怖に陥れた。
恐怖を我慢し、何度も確認の為に見直したが、間違いなく彼がそこに映っていた。
彼はレースの最初から最後まで、しっかりと映っていた。

今の自身を呪い、騎乗への執着が生まれたのであろうか。
中央競馬の華々しい舞台を駆けたいという、憧れと渇望が具現化した姿なのだろうか。
しかし、同時にこんなことも思ったのだ・・・


そこまでの無念が残るなら、あんなことしなければ良かっただけじゃないか・・・!!


・・・これから、その問題の動画をここに置く。
予めご了承頂きたいが、心臓が悪い方や、ショックに弱い方は見ない方がいいだろう。
見る方は覚悟を決めて見て頂きたい。









俺「・・・お解り頂けただろうか。」
弟「あはははは!!!シャレにならないって
  そういうことかぁ、あはははは!!!!!
  ちょっとチェーンソー持ってくるね♥







※ウィキによると、みかぽんさんは92年の朝日杯馬エルウェーウィンのファンだったらしく、
  それで同じ勝負服のデザインにしたんだってさ。映ってるのはただの国分のキョーちゃんです。

 

↑PLEASE 1DAY 1CLICK EVERYDAY!!

[ 2015/04/09 00:32 ] 競馬怪談 | TB(0) | CM(4)

競馬怪談 「飛ぶ」

俺「ハイ、デシちゃん。きゃりーぱみゅぱみゅ。」

弟子「きゃりーぱむぴゃみゅ!!!!!」

俺「はい、とてもカワイイですね。」
弟「何やらせてくれてんだよ!?」
俺「ちょっと話に入る前に、場を和ませようと。」
弟「・・・なんで和ませる必要があるのさ?」

俺「怖い話をしようと思うので。」
弟「しなくていいです!!」


俺「怖い話と言いましてもね、オバケとかそういう感じじゃないので。」
弟「どう怖いの?」
俺「うーん、どう言ったものかな・・・まぁ俺が経験というか、間近で見て聞いてって話なんだけど・・・」
弟「・・・リアルじゃないか。」

俺「とりあえず今日は、無職の自称馬券師は
  読まない方がいいかもしれないなぁ。」
 

弟「どんな話するつもりだよ!?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【飛ぶ】


 先日、某法律会計事務所の知人と飲んだ時にこんな話をした。

「債務整理相談って今結構忙しいでしょ。」
「おー。でもさ、あんま知らんと思うけどアレって件数こなしても俺としては二束三文のコトが多いんだよねぇ。」
「あんな面倒臭そうなのに?」
「結構骨折り損のコトが多いんだよ。」
「骨折り損。」
「相談受けて実際に間を取り持ってもさ、依頼者がやっぱり金返せずに逃げちまうんだよ。ま、逃げ切れるものでも
 ないんだけどさ。そうなった場合は元の消費者金融側の取立てになって、俺の仕事じゃなくなるんだ。」
「返す気無いなら依頼すんなよって話だよねぇ・・・」
「借金返す為にギャンブルやってドツボってパターン、
 マジで多いんだよ。お前も程々にしとけよぉ。」

「あーコワイコワイ。」
「・・・心配無さそうだな。あ、そう言えばさ、俺んトコじゃないんだけどこないだスゲェ奴が知り合いのトコに相談に来た
 んだけどさ。」
「スゲェ奴ッスカ。○○がスゲェって言うんだから相当スゲェんだろーね。で、どうスゲェの?」
「ま、ソイツ自身は無職同然でさ。消費者金融からの督促に参ったして駆け込んだ債務者なんだけどさ、とりあえず
 身元のリサーチしたら派遣登録してるのに全然仕事してねぇんだよ。」
「あー、俺も派遣関係の内情聞いたけど、登録何人に対して実働してるパーセンテージはメッチャ低いんだろ。」
「そ。その中の数字の一つみてぇな男でね。」
「世の中クズが多いねぇ。」

「ソイツ、自分が書いてるブログの中じゃ株と競馬で荒稼ぎして
 高級外車に乗って豪遊してたんだわ、ケッサクだろ!?」

「ひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」



 ・・・以前、このブログの中でこんなフレーズを言ったことがある。

 『貧乏なヤツほど金持ちのフリをし、金持ちは金を持ってないフリをする』

 この言葉は彼の受け売りである。同様に『暇な奴ほど忙しいフリをし、忙しいヤツはそんなのボヤく暇が無い』
というコトも彼は言っていた。確かにそうだ、俺も忙しい忙しいと言うことがあるけど、実際のところ多忙な時は限られ
ており、多忙な人間にこんなブログなんぞ続けられるワケがない。要するに俺は暇人だ。ブログという趣味を無理なく
続けられている時点でそういうことになる。

 それにしてもネットというのは本当に恐ろしい。簡単に自分を偽るコトができる。自分の理想とする自分を捏造する
ことができる。現実では上手くいってなくても、その世界では上手く行き過ぎてコワイくらいに物語を綴ることができる
のだ。
 果たして、とよく考えるコトがある。俺自身こんなブログをやっていて、現実世界の知り合いで俺がこんなブログを
書いていることを知っている人間はごく僅かだ。ごく僅かだが、居る。では他のブログはどうだろう?そう考えた場合、
多くはごく僅かも居ないのではないかと容易に想像がつく。
 俺の場合、まずリアルな知人とブログに於いて接点を持たない様にしている。小悪魔さんなんかはあくまでブログ
仲間であり、現実でお会いしたことなどない。そりゃ現実で広報すれば仕事上の関係筋や友人などに読んでもらうこと
ができる。そういう協力関係に於いて現実に勝るものなどない。では何故そうしないのかと言えば理由は単純、

 知ってほしくないからだ。

 恐らく、他の多くのジャンルを問わずのブロガーはそうだろう。架空世界のプライベートゾーンには架空世界の知人
以外は不要であり、現実の知人にそこに足を踏み入られるのは邪魔でしかないだろう。俺もそうだ。
 両親は俺が競馬をやっているコトは知ってる。有馬記念なんかのビッグレースでは父から馬券を頼まれたりするし、
母からはしょっちゅう『ヤメロ』と言われている。でもこんなブログをやっているコトは知らない。そしてやはり、知って
ほしくはない。

 幸いなのは、ここで俺がバカみたいに馬券を買って当てまくって毎日イイ物食って遊び倒している・・・なんて桃源郷
みたいな形の妄想を描いていないことだろう。もしもそんなことを書いてあった上で、実家の両親に『アイツこんな嘘
ばっかりのブログなんか書いて・・・』
と気付かれた時を想像すると、顔から火が出るなんてものじゃ済まない。

 もう、『生まれてゴメンナサイ』ってレベルだ。

 そういった意味では、中身に虚偽は多分に存在するものの、俺のブログはもしバレても『アチャー』ぐらいで済む。
男子高校生がお母さんに隠してあったエロ本をほじくり返されるのと同程度のものだ。まぁ、何にしろバレてほしくは
ないんだけど。

 次に、今度は同級の人材派遣業の友人に取材しに言った時のコボレ話だ。
 彼は俺がこのブログをやっていることを知らない。だが競馬をやっていることは知っている。
 そこを踏まえた上での会話として見てもらいたい。


「登録従業員の面接とかクソだるいわぁ、でも面接しなきゃどうしようもねぇ。」
「前までお前んトコ、手当たり次第だったじゃん。人が足りないから友達呼んで来い!!なんてザラだったろ。」
「さっきも言ったろー?そうもいかないんだって、今は。」

 派遣請負環境に於ける人材の質の低下は深刻らしい、そういう内容の取材だった。
 この友人は某派遣業社の人材管理担当。何年か前まではそれこそ先程言った通り手当たり次第だった。クライア
ントの希望する人数を揃えて現場に渡す、それが第一。しかし今はそういう仕事が成り立つ時代ではない。年端も
いかぬ若年層の未経験者や、下手に歳ばかり食って偉そうなのに仕事は全くしない老人は職場に害を及ぼし、結果
クライアントからの要求に応えられなかった場合に賠償責任に繋がる。
 質より量だった過去から、彼の会社は今、量より質を求めていた。そうする事により従業員環境も改善され、信頼を
得て、クライアントの言いなりではなくクライアントへの提言も可能になる。
 確かにそこを目指す為には、登録従業員の面接は必要不可欠だ。

「でも派遣登録してくるヤツなんか基本クソばっかだぜ?」
「自分の会社希望してくるヤツをクソ呼ばわりすんなよ・・・」
「就活地獄だか何だか知らねーけどさ、夢見がちなお坊ちゃんが多いのなんの。自分はこんな仕事する為に産ま
 れて来たんじゃないですぅ~みたいな顔を平気でしやがる。」
「ははっ!!」
「笑い事じゃねぇんだって。そんなヤツとか、リストラ食らったオッサンがさ、イヤイヤで面接に来るんだよ。なんとか
 食いつなごうみたいな感じで。我慢して働く為にさ。」
「ほほぉ~、そういうもんですか。」

「なんでああいう連中は揃いも揃ってギャンブルやってるん
 だろーな?」

「ぬおーっほほぉ!!」

 絶句と言うよりも笑った。ここでギャンブルが出てくるか。

「でもお前んトコの連中もパチ好きな奴多いべ、休憩時間は大体『あの店はどーのこーの』みたいな話をしてるの、
 よく聞くぞぉ。」
「アイツらはウチでチーフ張った上でやってるからいいんだよ、やってていいヤツら。」
「立場の問題!?」


「そういうもんだろ、クライアント喜ばせた上で遊びに行ってんだから怒りゃしねーよ。そのラインにも立たずにさぁ、
 自分が上手くいかないの社会のせいだとか抜かした挙句にギャンブルじゃないと理想の収入が得られない
 って自暴自棄になってさ、白昼夢さまよっちゃってんの。若いヤツも年寄りも。そんでこんなハズじゃみたいな顔を
 されて働かれてみろよ、蹴り倒したくなるぜ。」


 恐ろしく真っ当な意見だ、聞いててこっちが恐縮してしまう。
 彼は仕事に於いては自信家だが、別に仕事の鬼ってワケでもない。キレ者だけどスイッチのオンオフがしっかりでき
るタイプだ。この会話をしてる時の彼はオンかオフかで言えば、これでもオフなのだ。熱こそ帯びているが、彼の話は
要するにストレス発散の愚痴なんだから。
 俺は「王様の耳はロバの耳」に出てくる穴にでもなった気分で、彼の話を聞いていた。
 そして、俺が期待していた言葉を彼が吐き出す。

「今、面接でギャンブルやってるって解った時点で、ソイツは
 雇わないコトにしてるんだよ。使えねぇから。」


 豪速球だ。『使えねぇ』ときた。
 俺にとってこの『使えねぇ』というフレーズは軽いトラウマワードだ、一時期言われ続けたことがある。だが、そう
言われ続けていたことによって、俺はちょっとした憎悪といつかコイツを見下してやるという復讐心を持てた。今の
俺があるのは、俺のコトを散々コケにしてくれた方が居るからだ。
 しかし、基本的にはあまり良い言葉ではない。心が弱い者にとってこの言葉は鋭く刺さるものだろう、刺さり意気
消沈するか、痛みで逆上するか。どうも彼のニュアンスでは最近この言葉を向けた相手はそのどちらかにしかなら
ないらしい。その場で頑張り、言った相手を見返してやる、そういう気持ちになる者は居ないのだそうだ。
 コケにしまくり、ソイツが這い上がってくる様に育てる・・・そういう教育は、今は古いのだろう。だから彼も新入りに
面と向かってこう言い放つのはヤメようと最近心がけているのだそうだ。ここでは愚痴として思いっ切りダダ漏れを
起こしているだけだ。

「自分から言うヤツ居るかぁ?面接に於いて欠点だって受けるヤツだって解るだろ、そんなこと。」
「いやー、これが解っちゃうんだよねー。言っちゃうんだよ、バカは。」
「・・・言っちゃうっつーか、言わせるんだろ?」
「さっすがぁ♪」

 彼はピシっと俺を指差して嬉しそうに言った。
 話を聞くと、つまり誘導尋問だ。彼が言うには会社にとってデメリット要因になる可能性が高い人材の大半にある
共通の特徴があり、それを備えているものは最早彼にとって人材ではなく生ゴミなのだそうだ。
 その特徴が以下の4点。

・複数のSNSを頻繁に使っている
・ギャンブルをやっている
・国保と年金の滞納
・現在無職


 面接に来ている時点で無職なのは確定している。あとの三つは聞き出す必要がある。
 実のところ、彼自身も競輪と競馬をやっている。SNSは嫌いだそうだが、連携の取りやすさからLINEは仕事の
為に最近始めたそうだ。つまり、彼も二つの生ゴミ要素を抱えているってコトになる。
 彼がここまで偉そうにこんなコトを言えるのは、こういうことなんだそうだ。

「一応役には立ってると思うからな。社会的に。」

 つまり、そういうコトをしてもいいライン上に来た上でやる分には構わないだろうという、自己正当的な考えだ。
 でも働きながら払うべきものを払った上でのレジャーである、という点には大きく賛同する。

「面接の時に神経尖らすのはさ、冒頭とケツだけだよ。」
「冒頭とケツ。」
「当然社会的な常識を持った所作も逐一チェックするんだけど、まず面接の始めの方で志望動機とか聞くっしょ。で、
 そこに関してはどいつもこいつも当たり触りの無い答えをしてくるよな。そんで業務内容だ、当然ウチとしてはPCが
 使えた方が現場系事務系共に都合がいい。」
「だね。」
「だからPCがどれだけ使えるか聞く。その中で『最近ツイッターでバカな写真撮って流すヤツ居るじゃない、アレ
 どう思う?』みたいな話を、ちょっと談笑っぽく話すとSNSやってるかどうかはコロっと吐くわな。この会話で大体
 ソイツが普段どんなSNSの使い方をしてるかも解る。」
「どんな風に?」

「ちょっとでもバカッター寄りな意見、感情移入が見られたら、
 ソイツSNSでロクなコト言ってねーよ。」


 何でも『目立ちたくてやってしまうのではないでしょうか』とか言っちゃうヤツには、その気が潜在的にあるかも
しれないのだと彼は言う。『何考えてるのか解らない』『有り得ません』という断定がここには求められるそうだ。
ダウトな答えをするのは、どうやらSNSをやっている人間だけらしい。なかなか面白い判断方法だと思った。

「ギャンブルは?」
「面接終わった後だよ、『ところで』みたいな感じで切り出すんだよ。『やってる?』って。
 まるで『俺も実は好きなんだよねぇ~』って顔しながら。」
「きったねぇなぁぁ!!!!!」

 もう簡単に彼が『言っちゃえよ♥』って顔をするのが想像できる。

 『面接官がギャンブル好きそうなら、自身のギャンブル好きは欠点にはならない。むしろプラスなのだ。』

 この変な勘違いを誘発させる。どういう訳かギャンブル好きのバカは同類に対し熱く語るらしい。彼自身もそれに乗り
ながら『こいつマジ使えねぇ』と腹の中で舌打ちしつつ、履歴書の名前に二重線を引くのだそうだ。

「悪趣味だなオイ!!」
「オメーに言われたくねーわ!!」

 
 とにかく今現在、無職のギャンブル好きなネット野郎は拾うだけ害悪だと彼は言う。
 どんな害悪が過去にあったかと言うと・・・

・現場に向かう途中でパチンコに寄り、出てしまったが為にサボタージュ
・SNSでクライアントの悪口を偉そうに吐かれた
・競輪場の派遣イベントスタッフがスタッフジャンパー着ながら競輪新聞読んでた
・日曜の現場で、携帯電話イジってるスタッフ見たらPAT操作してた
・土日に出れないと言い張る理由が競馬  etc・・・(大体全部密告により判明)


「仕事もロクにできねぇヤツにこんなコトされてみろ。Kがキレて当然だろ?ついこの前もキレちゃってさ、あまり
 呼んでも来ないヤツなんだけど、どーしても人手が足りないって時に向こうから連絡してきてシフト組めないかって。
 よりによってソイツがやらかしちゃってね。」
「Kちゃんキレちゃったかぁ。キレそうだもんね。」
PATいじって競馬予想してやがったらしいのよ。現場中に。」

 Kとは彼の信頼する現場チーフの一角。正社員ではないにしても与えられた仕事に対する責任感は強く、彼の会社
にとって必要不可欠な人材だ。基本的には柔和で物腰の柔らかい付き合いのイイ男で、クライアント受けも非常に
良い。俺もプライベートでよく飲みに誘うけど、あまり断られた記憶も無ければ、向こうから誘われたら何か断れない。
そういう魅力を持った男だ。
 この日の取材時にKちゃんは居なかったけど、この流れでKちゃんの熱血トークが聞きたかったな。簡単で乱暴に
表現してしまえば、彼が参謀でKが軍曹と言ったところか。
 だがKちゃんは凶暴性も持っている。パチンコ屋でせっかくの休みをフルで使ったのに、いくら突っ込んでも
出ない台をブッ壊した
という逸話もあるが、そういうことでなく仕事に関して納得いかない点では彼との対立もしば
しばあった程だ。それが不条理な部下の行動となれば尚更だ、急激に頭に血が昇った彼を止めるのは、正直おっか
ない。

「PATいじってたヤツのケータイ、逆折りしてましたわ♥」
「マァ♥」

「ぶっちゃけ結構オオゴトになっちゃうトコなんだけどな。Kがその時怖すぎちゃって、折られたオッサン泣いて帰った。」
「オッサンなのかよ・・・でも、ヤリ過ぎではあるけどKちゃん怒るよなぁ、ソレ。」
『弁償しろ』みたいなことを最初は言ってきたみたいなんだけどさ。」
「おお。」
『黙れ、口開けんな、二酸化炭素吐くな、お前が温暖化の元
 か、あのフィリピン襲った台風お前が居なけりゃ無かったかも
 な、帰れ、給料無しな、二度と来るな』
って、もぉ鬼かよ。」

「Kちゃんコエェよ!!!!!」

 どちらが悪いかは各自の判断に任せるが、そういう自己中心的な輩は非常に今多いのだそうだ。
 彼は理由をこう考える。

「真面目に働いても大金持ちにはなれない、ギャンブルの方が可能性があるって思ってるんじゃねーの。その上で
 派遣登録なんて場繋ぎなんだよ、真面目にやる気がそもそも無いんだわ。」
「身分わきまえないヤツな。」
「生活の優先順位がギャンブル優先&SNS優先なんだぜ?いらねーよ、そんなヤツ。Kじゃないけど二酸化炭素
 吐くな、水と酸素を無駄にすんなだよ。」
「強烈だなー。」
「そう思わん?ウチだってさー、頑張り次第じゃそこそこの給料出せるんだよ。クライアントから『アイツじゃなきゃ
 ダメだ!!』って指名される様なレベルになりゃ、それなりの請求ができるワケだよ。そういうレベルには簡単には
 なれないけども、彼らはその辺のリーマンより稼いでるんだから。」
「そこを目指そうとして入ってくるヤツは、なかなか居ないだろーね。」
「やっぱそうなのかねぇ。ま、そりゃそうだよな。」
「頑張ってくれるスタッフ残すっつっても、人はとりあえず入れないとな。」
「数打ちゃ当たるみたいなのはイヤなんだけどなぁ。でも無職ギャンブラーはナシだな、まず。」
「そんなヒデェのかよ・・・」

「Kに携帯ブッ壊されたオッサンに限らずなんだけどさ、
 アイツらすぐ飛びやがるからな。」


 飛ぶ。この業界ではよく聞く言葉だ。

 話によると、彼の携帯は会社側で結局弁償。Kは『やりすぎだ』とこっぴどく怒られるハメになり、後日彼に謝罪を
したそうだ。彼も自身の行為をその時は反省していたらしいが、更に後日に現場依頼の承諾を得て現場当日を迎えた
際に、連絡も無しに現場に来なかった。連絡を取ろうとしても電源は切られており、それきりになったのだそうだ。
 
 飛ぶとは、音信不通になるというコトを言う。
 ハッキリ言って珍しいことではない、日常茶飯事だ。


「ギャンブルバカはマジでよく飛ぶぞ。問題起こした挙句に飛ぶ。」
「そりゃ採用するのもイヤになるわ・・・」


 ・・・ここで、冒頭の法律会計事務所の知人との会話に戻る。
 この知人の承諾を得ての続きとさせて頂く。


「ブログの話は笑えるんだけどさ、問題はその先だよ。」
「更に何かやらかしてたの?」
「やらかすなんてレベルじゃないよ。」
「何!?何しちゃったの!?」
「まずソイツの登録してる人派に問い合わせて労働状況を聞いたそうだ、何社か登録はしていたみたいだけど実働
 は殆ど無い状態でな。ロクな稼ぎは期待できないから、ソイツに『コレじゃ整理したくてもできないですよ』って
 言ったらしいの。」
「そうだよなぁ、結局金は必要だもんな。」
「そしたらソイツが『これから真面目に返済の為に努力するから、何とか消費者金融の督促を止めてくれ』って
 無茶苦茶なコトを言ってきたらしい。」
「聞けないよねぇ・・・」
「ま、でもさ。債務者側の味方として彼にアドバイスはしなくちゃならんのさ。こうすればこうできる、こうならできるん
 じゃないか、みたいな感じで。」
「大変だねぇ。」
「言えることは『とりあえず登録してるなら働きなさい』ぐらいなんだけどさ。それじゃもう手遅れって状況に近かった
 んだと。とりあえず督促の状況を見て『この日までにとりあえず○○円を頭金として支払った上で、月々○○
 円ずつ支払う様な感じで返済プランは作れる。それが実現可能かどうかという判断材料が欲しい。』
という
 アドバイスをしたら、『わかりました』とそこで去ったそうだ。」
「多分無理だろーな・・・」
「で、各人派に問い合わせをしていたワケだよ。そしたらその内の一社から『先日○○についてお問い合わせ頂
 いたみたいですけど、アイツが何か?』
みたいな逆問い合わせがあってな。なんでもソイツが
 『シフトを組んでほしい』って急に言ってきたから、この前の
 問い合わせと何か関係あるのかなって思ったそうだ。」



 ・・・聞き覚えが有りすぎる話じゃないか。
 彼にその人派の社名を訪ねたが、生憎そこまでは聞いていないとの事。
 だから、あの男とは断定できないが・・・


 では、この男はこちら側での結末ではどうなったのか。



「期日前日に飛んじまった。
 外車売りゃ良かったのに。」




 ここで言う『飛ぶ』は、先ほどのものとは意味が違う
 

 とりあえず、この話はKちゃんには絶対にできない。
 




(※実話に基づいた内容ですが、かなりフィクション化してます。)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


弟「のおおおおおお・・・」

俺「いかがでしたでしょうか。」
弟「怪談じゃねぇじゃん・・・」

俺「ちなみにワタシの趣味は、不正ブログを
  探して『飛ばす』ことデス。」

弟「聞いてねぇよ・・・」




※皆様、飛ばないようにお願い致します

  

PLEASE!! 1Day 1~10Click!!

[ 2013/12/05 01:42 ] 競馬怪談 | TB(0) | CM(14)

邪神の塔

俺「・・・」
弟子「・・・」

オーバルスプリント 結果
1着 セイントメモリー → 弟子○
2着 タイセイレジェンド → 俺○
3着 ジョーメテオ

5着 ガンジス(単勝1.8倍) → 俺&弟子◎


俺「・・・」
弟「・・・」

最近の俺&弟子の本命カブリ
セントウルS ロードカナロア 1番人気 単勝1.4倍 → 2着
新潟記念 ダコール 3番人気 単勝5.5倍 → 4着


俺「・・・もしも、もしもだよ?半沢直樹の大和田常務がね、この三連戦で俺らと同じ本命を軸に買っていてだ、そして
  ここを見たらきっとこう言うだろう。

大和田
「土下座でもしてみるか?」



弟「・・・」
俺「もしも、もしもだよ?滝川クリステルがね、この三連戦で俺らと同じ本命を軸に買っていてだ、そしてここを
  見たらきっとこう言うだろう。」

おもてなし
「ろ・く・で・な・し♥」


弟「・・・」
俺「・・・アイビスサマーダッシュの時、ハクサンムーンは俺達の本命カブリもなんのそので先頭を駆け抜けた。だが、
  あれから一ヶ月半の間に我々の本命が3度カブり、そして沈んだ。単勝1倍代の馬を二度沈めたのだよ。」
弟「ここ最近続き過ぎですよ・・・」
俺「正直セイントメモリーの勝利はとても喜ばしいコトだ、南関でデビューし育った馬が中央勢を蹴散らす様は実に
  気持ちが良い。イイ形で予想を裏切る、非常に強い勝ち方だったよ。」
弟「強かったですね。」

俺「だが、そんな喜びが消えてしまう程、我々
  は今、我々自身に恐怖している。」


弟「うぅ・・・」
俺「実は、心当たりがあるんだ。」
弟「やっぱりそうなんですよ!!呪われてるんですよ!!」
俺「この俺&弟子のダブル本命というのは、過去から不吉の兆しとここで恐れられてきたものだ。しかしながら
  あまり我々の予想はカブらない。しかし、新潟記念、セントウルS、そして今日のオーバルスプリント・・・この短い
  期間に我々の本命が三度カブるというのはなかなかあることではない。何故なら考え方の基礎が、俺と弟子
  では違うからだ。」
弟「・・・」
俺「・・・今からする話は、我々の身に実際起こった話だ。」

ミックリマン

俺「恐怖の始まりはここからだった・・・」

弟「この時はね、まだそこまで重大に思ってなかったよね。」
俺「このマンガは何も今日使おうと思って描いたものじゃないんだよ、ジンクスとか運とかの話をする際に使えるかな
  って思って描いたものだ。俺がミックリマンを二個買ったら二個ともミクダヨーだったのも事実。」
弟「この時点で『師匠の持つ負の力はスゴイ』と思いました。」
俺「正直、マンガの中でも言ってますけど欲しかったのが初音ミクとミクダヨーだったんだわ。」
弟「つまり、もしも一個での購入でどっちかなら『おっしゃあ!!』ってコトだったんですね。」
俺「まずこのミックリマンなんだが、ファミマでの初音ミクコラボ企画の一つとして8月下旬から発売されている、
  要するに『初音ミク×ビックリマン』のコラボアイテムなのね。」

弟「1個120円もするんですよ、人の足元見やがって・・・」
俺「言いたいのはそこじゃないんですけどね・・・」


弟「全部で14種類あるらしいけど、二個買って二個とも同じって・・・と、この時は思いました。」
俺「しかもそれが、よりによってミクダヨーだ。実はこのミクダヨーについて、俺は別ブログで記事を書いたことがある
  んだ。ご存知無い方はちょっと目を通して頂いた方が良いかもしれない。」


擬態と捕食 ~ミクダヨーの恐怖~


俺「初音ミクを『天使』とするなら、ミクダヨーは『堕天使』。
  今では『邪神』として広く認知されているんだ。」


弟「師匠がこんな記事を書いたからだ・・・!!」
俺「でも一年も前の記事じゃないか!!」
弟「ちょうど一年なんですよぉ!!」
俺「おっかねぇこと言うなよぉ!!」

弟「おしまいだ・・・邪神様は我々から的中を奪うおつもりなのだ・・・!!」
俺「・・・弟子がこれだけ怯えているのにもワケがある。」
弟「師匠のせいです・・・全部師匠のせいなんです・・・」
俺「・・・」
弟「先ほどのマンガには続きがあります・・・」

ミックリマン2

弟「邪神を伝染されました・・・」

俺「人聞きの悪い・・・」
弟「絶対おかしいでしょ、3個買って3個とも邪神
  様が出るなんてどんな確率ですか!?」

俺「だからと言ってこの三体の邪神をどうすりゃ
  いいんだよ!!」


弟「コレ持ってる限り当たる気がしませんよ・・・」
俺「確かに、この三枚が揃ってから急激に予想がカブってるんだよなぁ。」
弟「そうですよぉぉ・・・」
俺「・・・まさか。」
弟「!?」

俺「操られてたりしてるのかも・・・」
弟「ヤメてくださいよおおお!!!」


俺「だってタイミング合い過ぎだぞ!?この予想即ち我々の意思じゃなくて邪神の意思ってコトなら辻褄が合うじゃ
  ないか!!」
弟「邪神に『危険な人気馬』を選ばされ、更にフラグまで立たされているっていうの!?出来すぎですよぉ!!」
俺「あ、小悪魔さんの復帰もコレに関わっているのかも・・・」
弟「いぃぃやぁぁだぁぁあああ!!!」
俺「様々なタイミングが同時過ぎるんだよ!!偶然にしては!!」
弟「もうヤダ!!邪神様コワイ!!」
俺「ちょっと試しにお前、ローズSの出走予定馬見てみ。」
弟「?」
俺「ザックリでいいから。」
弟「はぁ・・・・・はい、見ましたよ。」

俺「せーので現時点のお互いの本命言うぞ。」
弟「!!!!!!!!!!!」


俺「いいな。」
弟「・・・わかりました。」


俺「・・・せーのっ!!」
俺&弟子「デニムアンドルビー!!!!!」
 



noroi.jpg



弟「(気絶中)」
俺「(発狂中)」




※誰か邪神を祓う方法教えて・・・



 

↑クリックしないとコイツら止まらないよ!!

[ 2013/09/13 00:44 ] 競馬怪談 | TB(0) | CM(12)

競馬怪談 「喫煙所の主」

俺「なんか週末は寒かったなぁ、雪で福島競馬中止になっちゃってたし。」
弟子「でもその前は春って感じでポカポカしてましたよ。
俺「これからはあったかくなっていくんだろーな。」
弟「この前は汗ばむくらいの日もありましたからね。」

俺「お前の汗なら売り物になるかもしれない。」
弟「気持ち悪いよ!!」

俺「売れる物なら売った方がいいぞぉ。」
弟「この貪欲脳め・・・」
俺「春ってのはあっという間に通り過ぎていくからな、もうすぐに初夏ってヤツになっちまう。」
弟「5月になると初夏って感じですよね。」
俺「初夏って言うくらいだから、もう春っつーより夏になるんだな。」
弟「気が早くないかな、それは・・・」

俺「夏だから怪談話してやんよ。」
弟「強引にも程があるってば!!」


俺「最近やってなかったからなー。結構ネタが溜まってんだぞ、昨年に色々聞ける環境に身を置いたから。」
弟「怪談系の仕事もうやめようよ・・・」
俺「企画書や台本とかよりも好きなんだけどなー。」
弟「コワイのヤダよぉ・・・」
俺「前に二度程やったけどさ、明らかに読者さんが減ったよね、あの時。」
弟「やんない方がいいじゃん・・・」
俺「二回目のヤツな。フツーに怖い話になっちゃったもんだから。」
弟「ヤダ。聞きたくない。」
俺「俺だって学習能力くらいあるよー、競馬好きな紳士はコワイ話がキライだと学びました。」
弟「だからやるなよぉ・・・」
俺「怖くなけりゃイイんだろ?」
弟「・・・」
俺「府中の第3コーナーにある大ケヤキの話とかは掘り下げると結構怖い話になりそうなんだけど。」
弟「怖くしなくていいよ!!」
俺「コレも聞いた話にアレンジ加えたヤツだから、ホントかどうかは怪しいんだけど・・・」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「喫煙所の主」


 私のホームであるS場外は新しくて綺麗な場所だ。

 週末が訪れると大勢の競馬ファンで賑わうが、他の場外に比べ人口密度は低い様に思える。あの、競馬場や場外にありがちな汚いイメージは皆無であり、むしろそういう場所としては異質なのかもしれないが、この清潔感が私は好きだ。
 私が競馬をやり始めてS場外に通いだしてからまだ日は浅い。清潔感のある環境とは言え平均の客層はやはり40~50代の男性が多く、20代の私はその中では若輩者に映る。友人と来たこともあるけど基本はいつも一人で行く。一人の方が気が楽で好きだ。
 一階の売店でお気に入りの新聞とお気に入りの「勝ち馬」って書いてあるライターを購入し、お気に入りの場所に行く。人には大体お気に入りの場所というのがある、誰だってそうだろう。私にとってのお気に入りの場所はS場外3階フロアの奥に位置する喫煙所。ここで予想して前に万馬券を当てているんだ、ここが自分にとって一番落ち着くし運気もいい場所。もうそういうイメージが自分にできてしまっている。自分だけじゃなく、そういうことを大事にする人も多いだろう。
 それが証拠に、大体そこで週末に出会うのは同じ顔ぶれだ。

 競馬をやってるおじさん達は人懐こい人が多いと思う。若いのに一人で来ていつも予想をしていた私が物珍しいのか、必ず声をかけてくる。一番最初に声をかけられた時はうっとおしいぐらいに思っていたのだが、通うにつれすっかり顔なじみになり、その喫煙所はすっかり馴染みの者同士が週末に集う場所になっていた。だから初めてそこに来た人というのはなんとなくヨソ者感を感じてしまうのか、すぐに移動してしまう。そういうのが嫌いな人も居るだろう、自分もそのクチだと思っていたのだが、通ってる内にその喫煙所が一番居心地の良い場所になっていた。
 もう競馬をしに行くというよりは、「週末はそこに行かなければいけない」という感じになっていたのかもしれない。

 各々の個性も知り合ってすぐに解る。Mさんはパドック映像で独り言をブツブツとつぶやき、Tさんは惜しいと大騒ぎをし、Sさんはしょっちゅう買い目を間違えて係員とモメて、Nさんは新聞を全部買って予想し締め切られる。まぁ、なんか抜けてるところだけやたら目立つが、彼らのイイところはヤジを飛ばさないところだ。居心地がイイ理由はそこも関係しているかもしれない、当たらなかった時に潔いのだ。そして何より楽しそうだ、競馬というよりもその空間を楽しみに来ているのではないか、そんな感じすらある。
 変な勘ぐりをしてしまえば、ここに集まって顔見知りとぎゃあぎゃあ言いながら見る競馬が、彼らにとって数少ない楽しみなのではないか、そういう風に考えられる。よくよく考えたら自分もそうなのだ。
 面白いのは互いが他人の予想を否定しないところ。これとヤジを飛ばさないのがこの空間の暗黙のルール、私がここに来る様になった時、既にこのルールは出来上がっていた。話を聞いたところ本当に「そうしよう」と決められた約束なのだそうで、いつの間にかそうなっていたのではないとの事。
 この喫煙所には主的な存在がいる。周りからはヒロさんと呼ばれている50代後半ぐらいの男性だ。喫煙所の片隅の壁に寄りかかりながら、新聞を睨みつけ物静かに予想をするのが彼のスタイル。パッと見はなかなかの強面に見えるが話してみると柔和で落ち着きのある人だ。このヒロさんが野次や文句が嫌いで、ある時に物知り顔な小うるさい男が人の予想に対し「あー、その馬ダメだよ。来ない来ない。」と笑った際にヒロさんが「来ないってことは無いんだがな」とムッスリ顔でつぶやいた。蓋を開けてみれば、レースはその男が来ないと言っていた馬の圧勝。男が赤っ恥をかいたのと同時に、周囲は何かスッキリとしたものを感じた。それ以来、ここの仲間内では他人の予想に口は出しても否定はナシと取り決めたのだそうだ。

 ヒロさんは人の予想に口を出さないが、「ヒロさん何狙うの」とよく聞かれる。どうやら予想は非常に上手らしい。でも彼は必ず照れくさそうに笑いながらこう答える。

 「教えねぇよ。俺のルールなんだ。」

 その度に周りからは「ケチなんだもんなぁ~」と言われ「しょうがねぇだろ」と答える。ここに来ると一日に二回は見る光景だ。

 ある開催日、私はここで万馬券を取った。「よしっ!!取った!!」と声をあげると、周りのおじさん達が「おー」と言いながら寄ってくる。その馬券を見せると周りはギョッとした顔で「お前よくこんな買い方できるな!?」と言ってくる。そう、その時の私の買い方は三連単を二点という極端に省エネな穴狙い。だからあまり当たらない。でも当たった時の気分の良さは格別で、それが私の楽しみ方だった。この時ばかりはヒロさんもどれどれといった感じで私の馬券を見に来たので得意げに馬券を披露した。するとヒロさんは「お前、相当楽しめてるな。そういう買い方いいな、割と好きだよ、そういうヤツ。」と私に言った。
 この言葉が正直この時はバカにされてる様に受け取れてしまった。お遊びだなって言われてるように思ってしまったのだ。確かに競馬は私にとって遊び以外の何者でもない、だが毎回予想は真剣にやっている。つまりは真剣に遊んでいる。「ヒロさんはどうなのさ?」とムスっとした感じで尋ねると、若干ひるんだ感じで「お、俺はこのレースはダメだった」と返ってきた。すると傍に居たTさんが「馬連のヒロさんと三連単の○○か、面白いもんだなぁ」と笑った。「ヒロさんじゃこのレース取れないだろうな」とTさんが言うと「カスリもしなかったよ」と苦笑い。それでもコンスタントに馬連を当てているヒロさんを、私はいつしか勝手にライバル視するようになっていた。
 
 ヒロさんのレース観戦スタイルは物静かだ、当てても少し喜ぶだけ。対してハズすと「参ったな」という表情の苦笑いを浮かべる。だから大きく勝ち負けしてる様には見えない。ちょっとした職人ぽくも見える。私もまたレース中は興奮を押し殺して声をあげたりはしない。購入金額も低いしハズす事には慣れてる為、当たらなくても「やれやれ」ぐらいで済ませる。ただし、当たった時は別だ。さっきの例の通り思わず声が出る。この見た目と馬券スタイルの対比が周りから見ても面白かったらしく、「喫煙所下克上だー、やれー○○!!」とか茶化されたりもした。私もヒロさんもうっとおしいとは思いつつ、その環境を楽しんではいたものの、私の中でも確かに「ヒロさんをギャフンと言わせてみたい」という気持ちが芽生えていた。

 しかし、Tさんがある時こんなコトを言った。ヒロさんが馬券を買いに喫煙所を出た時だ。


「ヒロさん、○○ともっと話がしたいんじゃないかなぁ?ホラ、あの人ああ見えてシャイだから。」
「なんだよそれ、気持ち悪いコト言うなぁ。」
「実はさ、ヒロさん五年前に事故で一人息子亡くしちゃってさ、ちょうど○○と同じくらいの歳なんだよ。」
「えー、そんな事があったの?」
「○○みたいに若いヤツがココに来るの珍しいからな、お前もヒロさんに優しくしてやってくれや。」
「そんな、息子代わりにされてもねぇ・・・」
 

 正直、死んでしまった息子の代わりみたいなものになってやれなんて言われて気分が良くなるワケがない、Tさんもデリカシー無いなぁなどと思いつつも、その情報は私の頭にしっかりとこびりついてしまった。馬券購入から戻って来たヒロさんをチラっと見ると、ヒロさんもそれに気づき「何?」と言う。「別に」とぶっきらぼうに答えるとTさんが「お前もシャイだなぁ」とクスクス笑う。

「俺の悪口かぁ?ヤメてくれよ、陰湿なコトされるとナイーブだから傷付いちゃうだろ。」
「ヒロさんナイーブなんだ。顔に似合わず。」
「あ、やっぱ俺の悪口言ってただろ、お前ら。」
「してないってば。ところでどんな馬券買ったの?」
「だからそれは教えないんだってば。」
 
 この会話をしている時のヒロさんは本当に楽しそうだった。Tさんの言う通り、ヒロさんは内気なところがある。だからこそ顔見知りが集まるこの空間が大事なんだろう。でも私の中に生まれたライバル視の意識は変わらないままだ。やっぱりこの人に馬券で勝ちたい。ヒロさんが私と仲良くしようとしてるかしてないかよりも、自分の中ではそちらの意識の方が強かった。


 しばらくしたある日の土曜日の午後。いつも通り喫煙所に行くと、そこにはヒロさんしか居なかった。

「あれ?今日ヒロさんだけ?」
「あー、皆ヒマじゃねぇんだろ。俺はヒマだから居るんだよ。」
「そんなコト言われたら、俺もヒロさんもグータラの暇人になっちゃうじゃん。」

 ライバル心はあっても、会話数は以前よりも増えた。最初にここに来た時から比べれば、お互い大分打ち解けている。ただ、この日にヒロさんはヤケに口数が多かった。

「相変わらず三連単狙ってるのか?面白いヤツだな。」
「当たらないけどね、アレ以来。」
「当てようとしてるんだろ、ならいいじゃねーか。」

 ふと、以前ヒロさんに対して敵意を持ってしまった時のコトを思い出してしまった。やはりヒロさんから見たら私の買い方はお遊びに見えているのだろう。

「あーそうだよ。真っ剣に当てようとしてるよ。」

 ちょっとムキになった感じでそう答えてしまったが、それに対してヒロさんはこう言った。

「一番自分が楽しめる買い方を、ずっと続けられるってのはいいもんだな。人と違う予想が立てられるのもいい。
 本当に競馬が好きなんだな、○○は。」

 アレ、と思った。自分が勝手に思っていたコトがこの時勘違いだと解った。そういう目でこの人は私のことを見ていたんだと思うと、何やら自分で自分が恥ずかしくなってきた。

「次の中山9R、予想し合おうか?」
「予想し合う?珍しいコト言うじゃん。いつも人に予想見せないのに。」
「今日は特別だよ、うるさい外野も居ないしな。」
「なんかキモチワルイ。」
「じゃけんにするなって。」

 不思議なコトもあるものだ、古参のおじさん達もヒロさんがどんな風な予想をしているのか知らないのに、その人が今ここでどんな予想をするのか教えてくれると言っている。
 缶コーヒーをすすりながら、ヒロさんはいつも通り折りたたんだ新聞を睨みつける。私はテーブルに新聞を広げて予想する。この馬が逃げて、大体ペースがこうなって、末脚が効くのはこの馬で・・・頭をガシガシと掻きながら新聞に赤鉛筆を走らせる。

「よし決めた。」

 ヒロさんはいつも喫煙所を出てマークシートを書くが、今日はここで書いてくれた。馬連を6点、買い方は軸とかが決まってる感じではなくバラバラ。ボックスでもない。一点ごとに賭け金を変え、下は100円、上は500円といった感じだけど、決してオッズが低い方に厚くしてるというワケでもない。

「凄い買い方なんだな・・・どうしてこんな選び方になるの?」
「なんとなくだ。」

 ポカンとしてしまった。

「何それ、ズルイ。」
「本当になんとなくなんだって!普段聞かれて答えないのは説明ができないからだよ!」

 恥ずかしそうに笑うヒロさん。よく当たってる人の予想の正体は、新聞読んでなんとなく決めていただけというお粗末な解答に、ヒザの力がプシュっと抜ける。
 私は三連単をいつもの買い方。展開と近走成績でこの三頭の争いになるという判断だとヒロさんに言うと「しっかり理論持ってやれてんだな」と感心した様子。参ったな、なんとなくで当ててる人に当たらない三連単を納得されてしまった。

 そしてそのレース、私はカスリもせず、ヒロさんは40倍くらいの馬連300円を当てた。

「へっへっへ~♪」

 得意気になんとなく馬券をヒラヒラさせる。こんなヒロさんは今まで見た事が無いと同時に先程消えかけた敵意がまた蘇ってきた。なんとなくで勝っている人に惨敗してるようでは・・・

「ちっくしょー・・・」
「そんな悔しがるなよ、コーヒーおごったるわ。」

 当り馬券を換金しに行きがてら、自販機でコーヒーを買ってヒロさんが戻って来た。それにしても不思議なことに今日はこの喫煙所に誰も来ない、本当にヒロさんと自分しか居ない。変な日だなと思いつつ、次のレースを予想し始める。

「○○は息子に似てるんだよな。ウチの息子、バイクで転んで死んじまったんだけどさ。」
「・・・」
「だから、かまいたくなっちゃうんだよ。」

 急に前にTさんから聞いた一人息子の話をヒロさんがし始めた。

「息子と競馬やってる様な気がしちゃうんだよな。本来なら息子が競馬やってたら怒っちゃうだろうけど。」
「・・・自分のコト棚にあげて。それに何だか説教されてるみたいだ。」
「はは、悪いね。まぁ俺が息子のトコ行くのも時間の問題だけどな。」
「縁起でもねーよ、年寄りの自虐はみっともないよ。」
「手厳しいな。そーだ、タバコ一本交換しないか?たまには違う銘柄も吸ってみたいわ。」
「いいよ、あげるよ。ピースなんかキツくて吸えないし。」
「いや、ただでもらうのは流儀に反する。」
「Sさんなんかコソっと盗むんだよ。俺のタバコ。」
「盗っ人だらけだからなー。」

 私のラッキーストライクとヒロさんのピースを一本入れ替える。ヒロさんはラッキーストライクに火を付け、先程と同じ様になんとなく予想を始める。そこからはお互いカスリはすれど当たらず、その日の最終レースを迎えた。

「これにて打ち止め・・・っと。」
「ああ、結局今日もボウズだぁ・・・」
「どんな馬券買ったのさ?」
「これ。」

 私の予想はちょっと固く狙った三連単二点。それでもオッズは200倍見当を示していた。ヒロさんは相変わらずのしっちゃかめっちゃかな馬連を8点。しかし、ヒロさんは私の馬券を見てこう言った。

「これ来るかもな、気配がある。」
「どうせなんとなくでしょ?」
「なんとなくだ。」

 私が呆れ顔でため息をつくと、ヒロさんは照れくさそうに笑った。その表情はどこか寂しげに見えた。
 そして二人で喫煙所のモニターに映る最終レースを見た。最後の直線で私が選んだ三頭が競り合いながら後続を突き放す。これ、本当にもしかして・・・直線半ばでヒロさんが早々と「やったな」と言った。一着に固定していた一頭が堂々とライバルを競り負かす。後方からも追い込んで来る馬はいるが先頭争いをする三頭には届きそうもない。

 久々の絶叫と共に、私は三連単を最後の最後で当てることができた。

 「おめでとう!!」とヒロさんが笑った。私は久々の興奮に手を震わせた。これがいいんだ、やっぱりこういう当て方が一番自分にとって気持ちがいい。

「その顔が見たかったんだ、今日は来て良かった。」

 ヒロさんが拍手しながらそう言った。夕焼けの陽が差し込む喫煙所で缶コーヒーで祝杯を挙げる。私は相当うれしかったが平静を装うとするも、未だに震えが収まらない。「素直にその辺飛び跳ねてこいよ」とヒロさんが笑う。何だか恥ずかしくもあったが、単純に当てられたコトの喜びを大きく出さないように堪えるのに必死だった。
 大勢の観客の一喜一憂が場外を去っていく。私たちも喫煙所を後にする。場外の出口で、

「じゃあヒロさん、また明日!」

 そう言ってヒロさんと別れ意気揚々と帰路につく。今思えばあの時、ヒロさんは何だか困った顔をしていた。そんな風に思える。

 日曜、昨日と同じ様に喫煙所に行く。昨日とは違い、いつもの顔ぶれがそこに居た。ただ一つ違うことがある。
 ヒロさんが居ない。

「あれ、今日ヒロさん来てねーんだ。」
「ああ、そうか。お前知らないんだな。」
「何が?」


「ヒロさん、一昨日亡くなったんだよ。」


 ・・・何を言ってるんだ、昨日ココで一緒に競馬見てたんだぞ?そう言おうと思ったがTさんがこう続けた。

「昨日は通夜でな、俺ら近所だしここの付き合いもあったから行ってたんだよ。」

 混乱した。何が何だか解らない。じゃあ昨日ここに居たヒロさんは何だったんだ。

「心筋梗塞だってさ、あまりにも急だったから俺らも驚いたよ・・・」

 Tさんが苦い表情で話す。SさんもNさんも悲しげにしている、どうやらウソではない様だ。
 じゃあ何だ、昨日のヒロさんは幽霊か?この話は皆にするべきかしないべきか・・・

「お前も線香あげてきてやれよ。ヒロさんさ、お前が馬券当てた時の得意気な顔が好きだったんだ。結局あの時
 以来当てれなくてその瞬間見せてやれなかったんだから、謝ってこい。」

 Tさんの言葉にハッとした。そう言えば昨日ヒロさんが言っていた、「今日は来て良かった」と。すると何か、私の喜ぶ姿をわざわざ見に来たというのか。もしかしてそれを見たいが為に私に馬券をプレゼントしてくれたというのか。
 悔しいやら悲しいやら腹が立つやら情けないやら恥ずかしいやら、様々な感情が一気に押し寄せてくる。結局昨日の自分はヒロさんの幽霊に遊ばれてたのだろうか、昨日の最終レースで買った馬券に「来る気配がする」と言ったのは、当たることが解っていたからだろうか。私を息子と見立てて最後に戯れることができたのだろうか。私はその役をしっかりと全うすることができたのだろうか。
 震える手でタバコに手を伸ばす。箱を開けると一本だけフィルターの白いタバコがあった。


 昨日、ヒロさんが入れ替えたピースだ。


 ヒロさんの形見を咥え、火を付ける。独特の香り、きついニコチンに思わずむせる。
 
「やっぱピースはキツいよ、ヒロさん・・・こんなの吸えないって・・・」

 そうして私は自分の泣き顔を必死にごまかした。


 今でも、その喫煙所ではヤジと予想批判は御法度となっており、ヒロさんのお気に入りだった壁際は誰の物でもなくヒロさんの場所として常連の間では大事に空けられている。そこに近づくと、「なんとなく」喫煙所の主はまだそこに居るような気配がする。 

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俺「おしまい。」
弟「・・・ふぐっ」

俺「ラーク吸うと体臭キツくなるらしいぞ。」
弟「余韻を大事にしてくれませんか!?」




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[ 2013/04/22 23:48 ] 競馬怪談 | TB(0) | CM(12)