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夢を諦めないで、夏

俺「あああああ・・・」
弟子「スタート前からガックシ来ている師匠はなかなか見れない。」
俺「だってさぁ、長いこと見てるから解るんだよ。パドックじゃないの、返し馬で。」
弟「返し馬見て悶絶してたね。」


俺「ヒットくん、やる気ゼロやん・・・」
弟「そう見えてしまいましたか。」



俺「こういうトコがあるんだよ、ずるいんだよ、ヒットくんは・・・」
弟「その時の状況を、皆様に解るように説明してもらえませんか。」
俺「やっぱりキライな環境はキライだったと。馬場だよねぇ、なんとか稍重にまでは回復したからこれなら・・・とも思ったんだけど、
  ヒットくんはやっぱりご不満だったようで・・・」
弟「ふんふん。」
俺「イヤそうに『何この芝』みたいに足元を確かめてやがった・・・」
弟「ヒットくんって、そういう馬だったんだね・・・」

俺「なんかね、ピーマン嫌いな子供が、料理に細かく混ぜられたピーマンをうんざりしながら見てる感じ。」
弟「解りやすいな。」
俺「返し馬の最中にヒットくんと小牧騎手が会話をしていたとするなら、こんな感じだったと思う・・・」


ヒットくん「ここ走るのぉ?」
小牧騎手「・・・走って、お願いだから。」
ヒットくん「走っていい芝じゃないよぉ、湿っててきもちわるい。今日のレース中止にしようよぉ。」
小牧騎手「ほら、周り見てみ。皆は走るんだよ。」
ヒットくん「僕はイヤだ。」
小牧騎手「お互い年長さんなんだから!!しっかりしなさい!!」
ヒットくん「イヤなものはイヤだ!!」



弟「だだっ子だね。」
俺「そう、ヒットくんはだだっ子なのだ。」



弟「やっぱり好きな環境はハッキリしちゃってるんですかね。」
俺「そういう条件が揃ったら本当に強いんだけど、ヒットくんってそれを自分で決めちゃってるところがあるからさぁ。そうじゃない所
  でもちゃんと走ってほしいんだけど・・・」
弟「レースは師匠の思い描いていたのとは逆に、やっぱり出たら下げてインベタ選考という判断でしたけど。」
俺「小牧騎手がそう決めたんだからしょうがないし、妥当な作戦でもあるんだよ。流れを選んでキタサンブラックがラップを速めた
  のは流石だと思う。ユタカさんはこの馬の勝ちパターンに、この距離でスローに落とし過ぎたらダメだという判断を下したんだ。
  あの隊列でもしもヒットくんが前に出て内に潜ろうとしてもムリだった。」
弟「そうでしょうねぇ。」
俺「それでもやっぱり、道中のコースの内側だって荒れてるワケよ。そこでまたヒットくんは嫌気差しちゃって・・・」
弟「そこでも。」

俺「『うわっ、なんかいっぱい飛んでくる、きたない!!』って感じで
  前と全然差を詰めないんだよ・・・」

弟「ヒットくんの前、凄い空いてたね・・・」


俺「・・・まぁ、小牧騎手自身もね、ヒットくんに関して常に全力で走るような馬ではないって部分に理解を置いている様だから。で、
  だからこそ息の長い現役生活を続けられるとも言ってくれてるし。」
弟「だこーもそうなのかな?」
俺「・・・まだダコールの方がマジメだとは思うけどね。」
弟「だこぅ♥」
俺「今日の宝塚記念でヒットくんには新たな印象が付いた。今日は最初からヤル気ナッシングで走ってた、4コーナーでは走るの
  やめてると思えるくらいヒドイ手応えだったもん。でも、それなりに直線では頑張って10着まで追い上げた。こういうパターンも
  また珍しいんだよね、ああなったら最下位だろうなと思ってたから。」
弟「最後にちょろっと本気出した感じか。」
俺「似てるわ・・・スゲェ似てるんだわ・・・」
弟「・・・ヒットくんが何に似ていると?」


俺「コレ、現役時代晩年の落合だわ・・・」
弟「また随分な方を持ち出しましたね・・・」



俺「ヒットくんのファンならお解り頂けるだろう、そう思って見ると楽しいぞ。今のヒットくんは晩年の落合だ。」
弟「・・・あくまで晩年を強調しなければいけないんですね。」
俺「全盛期ではないね、晩年の落合だ。なんというか、仕事する時を自分で選んでるんだけど、貫禄のある大物というより佇まい
  が子供にすら見える感じ。」
弟「晩年の落合選手はそんな感じだったんですか?」
俺「寒いと手袋付けて球審にグチるんだ。」
弟「それ、ものまねの人がやったネタでしょう?」

俺「なんにしろ、今まで見た返し馬の中でもうんざり感が尋常じゃない様に見えたのでね、そりゃそうなるだろっていうヒットくんの
  結末でした。好条件揃えるのが大変だなぁ・・・やっぱりせめて良馬場は必須ってコトかなぁ・・・」
弟「もう8歳の半ばを超えちゃったから、G1への栄冠を望むのが厳しくなってくるね・・・」
俺「そこがおかしいんだけどさ、まぁ多分、全盛と言える時期は過ぎてると思うんだけど、小牧騎手のコメント通り力の抜きどころを
  上手に使ってるって考えたら、こういうレースすると逆にホッとするんだよな。」
弟「衰えての敗戦ではないということですか?」
俺「そう見えるんだよなぁ。負ける時は負ける時で手を抜いているのかなぁって思えば、ひょっとしたらもう1年は残り時間として
  見れるのかなって。昨年の年明け3戦見た時は不安になったけど、今はあんまし衰え感じないんだよね。今日の敗戦だって
  返し馬でもうダメだぁって思ったワケで。」
弟「前向きなのは良いことです。でも、確かに元気な時とのメリハリは長続きする上で大事かもね。」
俺「しかし勝ったのがマリアライトとはなぁ、ここは恐れ入った。」


宝塚記念 結果
1着 マリアライト
2着 ドゥラメンテ → 俺切った 弟子○
3着 キタサンブラック → 俺▲弟子◎


弟「有馬記念から着順を上げ、牡馬相手に1着で繋げて来ましたね。」
俺「宝塚記念の前の主戦場が2500m戦で、しかも中山でも好戦してきてて、いくらディープインパクト産駒らしさからかけ離れて
  いると言っても、パワーを要する稍重の阪神コースで牡馬に勝っちゃうんだから。」
弟「女傑感が一気に出ましたね。」

俺「絶対に偽ディープ産駒だろ、勘弁してくれよ。」
弟「産駒イメージが固定されすぎだろ・・・」


俺「この馬場だからこそ、牝馬で勝てたのが凄いって思えるよ。2着がドゥラメンテで3着がキタサンブラックなんだぞ。それに続く
  4着が堅実派のラブリーデイって考えたら、相手が敗因を馬場に求めたって勝ったのはディープ産駒の牝馬だぞという一言
  だけでブッ飛ばせる。」
弟「確かにそうだよね、勢いのある4歳牡馬勢力を力で封じ込めた。」
俺「馬場が良くなかったから、と言いたくなる陣営も多そうなレースだったからこそ、今回マリアライトに皆が負けたことで言い訳
  しにくくなるのは間違いないと思うよ。」
弟「ドゥラメンテもレース中ではなくゴール後のアクシデントだったからね・・・大丈夫なのかなぁ、皆心配してるよ。」
俺「ゴール後にくぼみに脚を取られてグラしたみたい。一応、今のところは大事に至る様な報告にはなってないけれど、どうやら
  検査に回る様だ。何事も無いといいけど、とりあえず凱旋門賞挑戦は白紙になるってさ。」
弟「これだけの馬だからこそ無理ができない、競馬の難しいところですね・・・」
俺「やっぱりアクシデントはイヤだね。皆ドゥラメンテのことが心配になっちゃって、マリアライトに向けて祝福しにくくなっちゃった。
  ここは改めてエビちゃんとマリアライトの勝利をお祝いしなきゃね。」
弟「そうだね、マリアライトおめでたう!!エビちゃんもかっこよかったぞ!!」
俺「エビちゃんはこれが宝塚記念初制覇、未制覇のJRAのG1レースは残り4つ。ユタカさんに追いついちゃうかもしれないぞ。」
弟「それはイヤです!!でもおめでたう!!」
俺「それで、今年の凱旋門賞日本代表はマカヒキに任せちゃおう。いや実はコレで秋の国内戦が熱くなる可能性も出てきたワケ
  ですよ。」
弟「と言うと?」
俺「まずエイシンヒカリ、プリンスオブウェールズSの敗戦でこちらも凱旋門賞挑戦が白紙になり、年内のスケジュールが別の形で
  決まった。天皇賞秋と、年末の香港カップを目標にするそうだ。そして年内で引退するんだってさ。」
弟「ふむ、中距離路線だ。」
俺「そしてモーリス、こちらは安田記念の2着から立て直し。距離を伸ばして中距離に挑むことを考えていて、次のレースは札幌
  記念。ここで昨年の香港マイルを共に制したモレイラ騎手を鞍上に挑む。結果次第では目標が天皇賞になるだろうね。」
弟「おおお、そうなったら凄いメンツになりそう・・・」
俺「そして今回の宝塚記念組、ドゥラメンテは足元の結果次第だろうが、キタサンブラックは秋G1の王道路線に進むだろうし、
  マリアライトもエリザベス女王杯連覇を狙うか、また牡馬相手の道を選ぶかになるだろうが可能性はある。」
弟「ふんふんふんふん!!」
俺「更に、ここに菊花賞に距離不安を感じる3歳組が加わってくることも考えられる。リオンディーズは多分こっちに回ってくるんじゃ
  ないか?エアスピネルも可能性は高いと思うね。」
弟「なんか凄いことになってくるかもしれないんだ、今年の天皇賞。」
俺「更にはゴールドアクターも復帰して国内戦に臨んでくるんだから。オールカマーで始動予定だけど、この馬は天皇賞よりも
  長距離戦に向かうかもね。でも、ローテに組み込まれたらアツイ馬なのは間違いない。」
弟「秋が早くも待ち遠しいです。」
俺「その為には、皆が無事に秋に向けて進んでくれることを望まないとね。」
弟「そんなメンバーのレース見てみたいです!!」



俺「そしてそんなメンバーを颯爽と
  ねじ伏せるヒットくんを・・・♥」

弟「夢が大きいのはいいことです。」




俺「ヒットくんとモーリスとロゴちゃんが出て来たら、俺どうすりゃいいの。」
弟「自分で考えて下さい。」
俺「ちなみに夏の結果次第では、ここにダコールも加わってきますよ♥」
弟「だこぉう♥」
俺「まぁ、ダコールが天皇賞勝てるかって言われたら正直・・・」



弟「見える・・・錚々たる顔ぶれの
  先頭を駆け抜けるだこぉう・・・♥」

俺「夢が大きいのはいいことだよね。」






※要するに、JDDが終わったら夏よ早く終われと言いたいんです
 (これでまたしばらく中央競馬をリアルタイムで見れなくなるんだ・・・)



  

[ 2016/06/27 00:18 ] 結果 | TB(0) | CM(4)