再臨!!素人病棟24時

俺「デシちゃん!!しっかりしてぇ!!」
弟子「えうー!!」



あの悲劇から約1年だ。我々はダイオライト記念の後に素人病の発作を起こし救急搬送された。
思い出したくもない、辛い出来事だった。的中欠乏症による様々な合併症により、我々の精神は一時重篤とも言える危機に
瀕したのだ。
その後、好調とは言えないまでも、なんとか払い戻しを出して酸欠状態をギリギリのラインで免れて現在に至る。

2017年3月8日、大井ではフジノウェーブ記念が行われた。
圧倒的な1番人気を背負うのは昨年の地方年度代表馬ソルテ。今年の初戦ということもあり注目の一戦だった。
しかし今日はトップハンデの59㎏、枠も良いとは言えないし馬体重もかなり減っていた。
元々大井コースでは不安のある馬だ、過信はできないと思っていたが・・・

直線に入り、アッサリとケイアイレオーネに交わされると、ソルテは抵抗すらできず馬群に消えた。

私としてはソルテの敗戦は許容範囲だと思っている。ああ、こうなったかくらいの見え方。
この馬は大敗でガスを抜く節がある様に思えるので、むしろ惜しいレースをするくらいならこれでいい。
驚いたのはケイアイレオーネだ。この枠、この距離でまさか無理なく先行し、直線で早々と先頭に立ち堂々の押し切りとは・・・
フミオさんも強気と言うよりドッシリと構えた自信の騎乗。
不安要素で御託を並べた自分がバカみたいな勝利だ、それだけにお見事と正直に称えたくなった。


だが、そんなレースの直後だった。
弟子が腹痛を訴えだしたのだ。


俺「大丈夫?顔色も悪くなってきた。」
弟子「うう・・・だいじょうぶです・・・」
俺「いや、大丈夫じゃなさそうだよ、病院に行こう。」
弟子「わかりました・・・」
俺「なんかヤバそうだよ、顔色が紫っぽくなってきてるもん・・・しっかりするんだよ、デシちゃん!!」
弟子「ううううううう・・・うううううううう!!」
俺「デシちゃん!?デシちゃん!!」


弟子「えうー!!」
俺「!!!!!!!!!」



聞き覚えのある、悲しくも間の抜けた悲鳴だ。
典型的なあの病気の症状じゃないか・・・これは素人病だ。
いや、しかし待てよ?確か弟子はクイーンCで馬連を取っているし、その前のシルクロードSでも馬連と三連複を取っているし、
的中欠乏症になる様な状態ではないハズ。
でもこの症状は間違いなく素人病だよな・・・

発病した弟子はもう「えうー」しか話せなくなった。気になるのは顔色だ、どんどん紫色になっていく。
見た目でも危険が解る状況、私は彼女を急いで競馬素人病院に運んだ。


俺「先生・・・この子の容態は・・・」
医師「うーむ・・・危険だねぇ。」
俺「なんでこんなことに・・・少ないながらも危険にはならない程度のスパンで払い戻しはあったんですよ。」
医師「そういうことじゃないんだよ、今回の発症は。非常に稀なケースではある。」
俺「どういうことです・・・?」


医師
冷めてるシャダイさん


医師「これは食中毒だ。」
俺「!!!!!!!」
弟子「えうー!!」



信じられない言葉だった。なんて恐ろしいのだろう、競馬素人病は食べ物でも発症してしまうのか。
そして、何を食べたら一体こんなことになってしまうのだろうか。
弟子は一体何を食べてしまったのだろうか。


医師「顔色が大分悪いな、相当な量を食べてしまったのだろう。すっかり赤紫色じゃないか。」
俺「せ、先生。この子は一体何を食べてしまったのですか?何故私は発症しないのですか?」
医師「君は食べてないんだね。」
俺「いや、大体いつも同じ食事なので、ほぼ同じ物を食べてるハズなんですけど・・・」
医師「えーと、南関競馬を見終わった後に、彼女は症状が悪化したんだよね。中央競馬ではないと。」
俺「ええ、そうです・・・」


点滴を打たれ横たわる弟子を見て、医師は困った様な表情で彼女に問いかけた。


医師「君はなんであんなものを食べたんだ?」
弟子「えうー・・・?」
医師「地方競馬やってるなら常識だよ、知らなかったのかな?」
弟子「えう・・・えう?」
俺「もうやめてください、先生!!目が虚ろになってきちゃってるよ、原因はともかく早くこの子を・・・」



zakuro.jpg



医師「君、コレ食ったろ。」
弟子「えう。」
俺「!!!!!!!!!」



なんということだ、弟子はこともあろうにざくろを食べてしまっていたのだ。
確かに地方競馬ファンの間では常識だ、
ざくろは本体ではなく、木になるおにぎりを食べるものである。
しかし、弟子は本体を食べてしまったらしい。いつの間にそんなものを・・・

医師「どうやらフジノウェーブ記念、この子の本命はソルテだったみたいだね。」
俺「ええ、そうです。まぁ仕方ないでしょう、圧倒的一番人気ですし・・・」

医師「完全にざくろ酸が脳に回っているね。」
俺「ざくろ酸が脳に回ってしまったんですか!!」


ざくろ酸・・・ざくろに含まれる強烈な毒素だ。
その毒素はまるで意思があるかの様に、取り入れた者の体の自由、思考を奪う。
「競馬予想者がざくろを食べるのは、免許を持たない者がさばいたフグを食うも同じ」とも言われている。
おそらくざくろ酸の思考が本命をソルテに導いてしまったのだと先生は言った。

医師「勝った馬はケイアイレオーネだったでしょう。」
俺「ええ、そうです。とても強かったです。」
医師「なるほどね・・・」
俺「どうしてそんなことを・・・」


医師「おにぎりを食べた者の本命は、皆ケイアイレオーネだったよ。」
俺「デシちゃん!!どうしておにぎりを食べなかったんだ!!」

弟子「えうー!!えうー!!」



こんなやり取りの間にも、弟子の顔は徐々に赤紫色に変色していく。
そして私は思い出した、確かバレンタインの日に私が餃子を作っていて更新できずに彼女に代理を頼んだ時のことを。
夜通しで餃子を作った後に、一旦PCをチェックしに部屋に戻るとそこに見慣れない果物の残骸があった。
あれがひょっとしてそうだったのか・・・そう思い、その時の記事を確認した。


バレンタインデーなのです


思いっ切り食ってた。


しかしそうなると、弟子がざくろを食べたのは約1ヶ月近く前ということになる。
何故あれから今日まで発症しなかったのか、潜伏期間が存在するのだろうか。


医師「ざくろ酸との同調が進行してきているんだろうね。思考がざくろ酸に支配されつつある。」
俺「そんな・・・弟子は、この子はどうなってしまうんですか!?」
医師「こればっかりは本人の精神力次第だ、打つ手立てはない。ざくろ酸に抗い、馬券を当てられるかどうか。これでもしも今後、
  ざくろ酸による支配で馬券をハズし続けたり、あるいはざくろ酸に抗ったが為に馬券をハズしたりしてしまったら・・・」
俺「し、してしまったら・・・」


医師「完全にざくろになる。」
俺「ざくろになっちゃうの!?」

弟子「えう(照)」



今も弟子のざくろ化は進行している。
先生が言うには、最も気を付けなければならないのは地方競馬の予想になるそうだ。
地方戦での予想で、ざくろ酸を打ち砕かない限り病状は悪化する。しかし、そこで打ち砕かないと治癒もされないのだ。
その最大のカギになるのは昨年に素人病を発症してしまったダイオライト記念・・・なんとも皮肉である。


医師「今回、素人病の症状が出たのは当人のショックが大きかったからだろう。ざくろ酸に蝕まれていることに対する条件反射
  みたいなものだ。」
俺「うう、デシちゃん・・・かわいそうに・・・」
医師「だから、ショックが収まれば一旦はざくろ化が止まるけど、それは今回に関してだけ言えること。問題は次の予想だ。」
俺「次・・・」
医師「そこでざくろ酸と同調してしまい馬券をハズす結果になれば、更に病状は進行する。そして、最も恐ろしい結果となるのが
  先ほども言った通りざくろ酸に抗った結果ハズしてしまうという状況。ざくろ酸に従っていれば当たっていたという結果になって
  しまうと、彼女の精神はざくろ酸に敗北してしまうかもしれない。そうなると完全にざくろになる。」
俺「あの、ざくろになってしまうとは、どういうことなのでしょうか・・・?」
医師「恐ろしいぞ。」



ざくろ化とは →  



俺「・・・・・」
医師「くれぐれもそうならない様に、細心の注意をはらって競馬に臨みなさい。この状態を治すのもまた競馬でしかないからね。」


病院で精神安定剤を投与し、一旦は落ち着きを取り戻した弟子。
しかし、ここから苦しい闘病が始まってしまうと思うと、彼女がかわいそうでならない。


俺「デシちゃん・・・」
弟子「えうー。」
俺「ざくろ化しない様にがんばろうね。」
弟子「えう!!」


俺「でもざくろ化してもオイシイよね。」
弟子「えうー!!!!!」




★おまけ

医師「ところで君。」
俺「私ですか?」
医師「うん、一応聞いておくけど、君のフジノウェーブ記念の予想ってどうだったの?」
俺「オウマタイム本命でしたけど・・・」


フジノウェーブ記念 結果
1着 ケイアイレオーネ → 俺切った 弟子○ ざくろさんのおにぎり
2着 タイムズアロー
3着 サクラレグナム → 弟子▲

10着 ソルテ → 俺○弟子◎ ざくろさん◎
12着 オウマタイム → 俺◎ ざくろさん○



医師「君、もう完全にざくろ化してるね。」
俺「えうー!!!!!」
弟子「えうー!!!!!」







※結論 ↓この先生、役に立たない


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[ 2017/03/09 00:25 ] その他 | TB(0) | CM(7)