FC2ブログ





仙人様へ 『ありがとう』

弟子「信じたくないです。」
俺「・・・」

07年JBCスプリント優勝フジノウェーブが死ぬ

弟「仙人様がお亡くなりになるハズが無いよ!!」


俺「公式な発表だ・・・デマじゃない。」
弟「だって!!」
俺「辛いな。お前は仙人様が大好きだったもんな。」
弟「・・・」


俺「俺もだよ。本当に泣いたの久しぶりだわ。エアグルーヴの時でも、こうはならなかった。」
弟「・・・」


俺「こないだまで元気に走ってたのに。好きな馬が居るってのはこういう時に辛いな。」
弟「走るのやめた途端に逝ってしまうなんて・・・」
俺「東京スプリング盃を4連覇したの、今年の3月だもんね。」
弟「仙人様には色々教えてもらいました。」
俺「まぁ、今日のレースはボロボロだったから、仙人様を偲んで今日は話をしよう。」


埼玉新聞栄冠賞 結果
1着 ガンマーバースト → 俺切った 弟子◎
2着 スターシップ
3着 カキツバタロイヤル → 俺▲弟子▲


弟「同じ芦毛のスターシップが頑張ったよ。サイオンも頑張ってた。」
俺「うん、ガンマーバーストは突き抜けたけど、同じ真っ白芦毛のスターシップが頑張ったね。」
弟「仙人様も応援してたんだ、仲間だから。」
俺「・・・そうだな。」


弟「なんでだろうね・・・」
俺「・・・」


弟「仙人様はアイドルだったんだよね。」
俺「そうだよ。高齢にしてトップランナー、皆の『がんばれ』って声援を常に背に走り続けてきた。ここの読者さん達も
  この馬が嫌いなんて人は居なかったんじゃないかな。」
弟「誘導馬になってまた大井を引っ張って欲しかったのに・・・」
俺「ボンちゃんとは違った愛され方だったな。ボンネビルレコードは帝王賞馬だけど常に挑戦者だった。そして同じ長
  距離路線には南関の横綱、フリオーソが居た。フジノウェーブもG1ホースだ、2007年のJBCスプリント覇者。
  そんな身でありながら、毎年コンスタントに好走していた。10歳の時は凄かったな、同じ芦毛のスターボードと共に
  セイクリムズンらを迎え撃った東京スプリントは『中央にも若造にも負けてられん』と言わんばかりの迫力が
  感じられたよ。」





弟「頑張り屋さんだった。ボクは今年の東京スプリング盃がやっぱり一番思い出深いです。11歳でのあの走り、
  あのレースだけで色々もらえた。今年一番感動したレースでした。」





俺「そうだな。フジノウェーブは我々に色々な思い出をくれた。」
弟「なのに・・・これから先も約束されてたじゃないか・・・」
俺「お前がさっき、『なんでだろうね』って言っただろ。あれは凄くよく解る。」
弟「・・・」
俺「同じ感じを、以前味わったことがある。」


2000年 山元トレセン火災


俺「あの時も俺と友人は『なんでだろう』と思った。この『なんで』は、具体的に言えば『なんでよりによってエガオヲ
  ミセテがこんな事故で死ななければならないんだ』という感情なんだよな。」
弟「解ります。そうです。」
俺「仙人様は乗馬になる為の去勢手術の最中に麻酔が切れてしまうという事故により亡くなってしまった。痛くて
  暴れてしまったんだろう、はっきり言って予想だにし得ない出来事での別れに、釈然としない。そんな気持ちは
  俺にもある。」
弟「・・・」
俺「よりによって、という言葉は非常に良くない言葉だ。しかし敢えて使わせてもらった。それだけ割り切れない程の
  感情が彼に対し働いてしまうんだ、別に他の馬がどうなろうと構わない、という意味ではもちろん無いよ。」
弟「うん。」
俺「本当なら来年には誘導馬として、走る子達よりも大きな歓声を受けて馬場を颯爽と歩く仙人様が見れたハズ・・・
  なんだ・・・」
弟「・・・」


俺「なんでだろうねぇ・・・なんでこうなっちゃうんだろう・・・」
弟「・・・」


俺「・・・伊坂幸太郎先生の、『死神の精度』って本は知ってる?」
弟「伊坂先生って、師匠が好きな作家さんですよね。読んだことないけど。」
俺「ちょっと間の抜けた死神の話でね、別に死神という存在に殺意とか悪意は無いんだ。人の死を判定するという
  職務をこなすっていう。そこには人間の善悪も無くてね、死神の興味次第で『可』『見送り』という判定を下され
  て、『可』ならその人は死んでしまうんだ。ちなみに自殺や徐々に弱る病死は死神の仕業じゃないんだってさ。」
弟「・・・何か変な話っぽい。」
俺「変な話なんだよねぇ。」
弟「その話が何か?」
俺「死神がその対象の『可』『見送り』を決定するのに必要とする調査期間ってのがあってね、それが一週間ある
  んだ。その調査、これがほとんど意味が感じられない。『ああ、こいつイイ奴じゃないか。生かしとこう。』とか、
  『コイツ生かしておいても意味無いな、可で。』とか、そんな判断じゃないのね。そんで、死神ってのは適当で、
  調査という名目で人間界に姿を現して何してるかって言ったら『CDショップで音楽ばっか聴いてる』らしい。
  そしてろくな調査もせず、結局下す判断は『可』になるんだって。」
弟「なんだかひどいな。」
俺「そんな中でもこの本の主人公の、千葉って死神は律儀に調査する方でね。ただ人間の感情が理解できない
  から、対象の人間に接触した時の会話が極端に間抜けになっちゃうんだ。」
弟「でも、律儀に調査するって言っても、結局『可』で対象の人間は死んじゃうんでしょ。」
俺「うん、そうなの。例外もあるけど大体死んじゃう。」
俺「ダメじゃん。」
俺「でもさ、まぁコレは作品とする為にそうせざるを得ないんだけど、調査期間の最中に対象の人達は凄い充実する
  んだよね。凄い濃密な一週間を、千葉と共に過ごすことになるんだ。」
弟「・・・」
俺「これは人間界の架空のお話しだけどね、馬にも死神が居るのかなぁって。」
弟「だったらボクは仙人様を連れて行ってしまった死神が憎いです。」


俺「そうだね。死神が憎い。それでいいと思う。」
弟「!!」


俺「今回の事故は執刀ミスと言えなくもない。予想外の出来事かもしれないけど、人的に防ごうと思えば何とか
  なったかもしれない出来事だよ。まぁ事故ってのは大半がそういうものなんだけど。」
弟「でも、だからと言って執刀医の方々の非難をするのは・・・」
俺「いや、非難されても仕方が無いとも思う。かたやアビーさんの大手術という出来事を知っている我々にとっては、
  今回の事故は不思議と言ってもいいくらいだろう。でもしない、したくないんだ。」
弟「・・・」
俺「麻酔が切れた挙句、痛みで暴れて脚を折ってしまって予後不良になってしまったなんて、はっきり言ってイージー
  ミスもいいところじゃないか。フジノウェーブもひょっとしたら苦しみもがき、医師達を恨みながら最期を迎えたという
  可能性だってある。でも、そんなことは考えたくない。」
弟「仙人様はそんなこと思ったりしないと思う。」
俺「そうだな、仙人様は強くて優しい名馬だった。だから自分勝手な意見だけど、フジノウェーブは誰も恨まずに最期
  を迎えた。そう思いたい。」
弟「・・・」
俺「だとしたら、恨むべきは死神ってやつさ。今よりによってフジノウェーブを対象にした死神が憎い。」
弟「・・・」
俺「憎いついでに、その死神が、前述の千葉の様な死神であってほしいと思う。仙人様が最期を迎えるまでの一週間
  がせめて濃密であったことを心から祈るよ。空想の話ではあるけどもね。」
弟「これからって時に亡くなられたんだとしても・・・?」
俺「せめても、って意味でね。」
弟「・・・」
俺「この千葉という死神はね、調査の時に晴天を見たことがない雨男なんだ。季節問わずね。吹雪だったりもする。」
弟「雨男。」


俺「今週ってさ、関東雨多かったじゃない。」
弟「!!」


俺「・・・せめてさ、最期を迎えるその時まで、いい事か悪い事かを通り越した何かが、仙人様にあったと思いたいよ。
  連れて行った死神がこの作品の千葉の様に生命を不思議がり、疑問をぶつけたり、発散させたり、色々あって
  納得のいく形の最期を迎えられたことを祈りたい。まぁこれは仙人様に限らずだけどもね。」
弟「本人が納得できる最期なんてあるのかな。」
俺「それを考えたらキリが無いよ、仙人様だってこんな最期は無念に決まっている。でも、その無念が少しでも解消
  されて最後を迎えたんだと信じたい・・・正直、そうでも思わないと踏ん切りが付かないよ・・・」
弟「踏ん切りが付かない・・・か・・・」
俺「・・・うん。」
弟「あの、師匠。」
俺「?」



弟「・・・お花供えに行きたい。仙人様に。」
俺「いいよ。」




弟「!」
俺「なんだよ、自分で言って驚くなよ。」
弟「いや、こんなにアッサリOK貰えると思ってなかったし。」
俺「そう言ってくれて嬉しいよ、踏ん切り付ける為だろ?」
弟「・・・うん。ちゃんとお別れしたい。どうのこうの言うよりも、そうしたい。」
俺「じゃあそうしようか、うん。」
弟「いいの?」
俺「そうできればいい様にすればいい。楽勝だよ、俺も行きたいし。」
弟「・・・」
俺「ちゃんとお別れしに行こう。お礼言いに行こう。さよならって言いに行こう。」
弟「・・・」


俺「泣くなよ!!」
弟「うるせぇ!!」



俺「お花だけじゃなくて、にんじん買って行こうな。」
弟「にんじん。」
俺「TCKのツイートで、仙人様がにんじん好きっぽいのがあった。お供えに持って行こう。」

にんじん

弟「うん、それはいいですね!!」
俺「喜んでもらえるといいな、でも俺みたいな疫病神来たら嫌がるかな。お前だけで行くか?」
弟「一緒に行きましょうよ。師匠だって仙人様大好きだったじゃないですか。」
俺「・・・」
弟「強がらなくてもいいよ、ここまででも充分強がってるのがわかるもの。一緒にお別れしようよ。」
俺「・・・そうだね。」



弟「ボク行き方解らないし。」
俺「そっかぁー・・・」





※最後のは我々の精一杯の強がりです、本当に悲しい・・・
 仙人様、今まで本当にありがとうございました。貴方は永遠のヒーローです。
 何よりJBCスプリント制覇の時は本当に胸が昂ぶったものです、もっと貴方の勇姿を見たかった。
 せめて今は、安らかに そして南関を見守ってあげて下さい。



[ 2013/10/24 02:20 ] その他 | TB(0) | CM(8)

フジノウェーブ号、いえ、仙人様。どうか安らかにお眠り下さい。そして、南関をはじめとした地方競馬の安泰を、どうか見守っていてください。
[ 2013/10/24 02:38 ] [ 編集 ]

師匠、デシちゃん、この度は御愁傷様でした。
仙人様のご冥福をお祈りします。

こんな考え方をしてはいけないのかもしれませんが、ダークシャドウ君の厄を持っていかれたのかもしれませんね。

関係者の方々には気をしっかり持って、仙人様のような強くて愛される馬をまたつくって頂きたいです。
[ 2013/10/24 04:14 ] [ 編集 ]

残念です

理由がそんなだなんて・・・

本当に無念です。

仙人様、やすらかに。
[ 2013/10/24 05:36 ] [ 編集 ]

なんだろう、タイトル見ても嫌な予感すらしなかったのに・・・冒頭でショックを受けました・・・。
ダークシャドウが怪我自体は軽傷で済んだっぽいニュースを見た後でホッとした所でこのニュース。南関は3年前くらいからしかやってないんですが、師匠達の会話に度々登場する仙人様のファンになっていってしまいました。
心の底から御冥福をお祈りします。
[ 2013/10/24 06:14 ] [ 編集 ]

残念無念としか…

言い様のない話ではありますが、今はフジノウェーブの冥福をただただ願うのみです。
予定では11月4日から8日の大井競馬の開催期間に場内に献花台と記帳台を設置するそうです。

あ~でもやっぱりしばらくは納得出来そうにない…
[ 2013/10/24 08:05 ] [ 編集 ]

昨日フジノウェーブの訃報をコメントした者です。
暖かいレスを返して頂いて、こらえていた涙が止まりませんでした。
帰宅途中だったので、不審者に間違われないか少し不安でしたが…。

地方調教馬の強さと老いる事の尊さを教わりました。
強さと尊敬を白い身体に宿した、まさに南関の仙人でした。
ありがとう。ウェーブ。
[ 2013/10/24 13:30 ] [ 編集 ]

辛いですね・・・

師匠、弟子ちゃん、辛いですね。悲しいですね。
でも、お二人のフジノウェーブを始めとする競走馬に対する愛情が、僕は大好きです。
好きだからこういう時に本当に辛くなってしまうんだよな。でも、これだけの想いを受けて、フジノウェーブは幸せに思ってくれるのではないでしょうか。


それにしても、こういう内容の時にランク落ちちゃうのはなんとも皮肉というか・・・
[ 2013/10/24 14:57 ] [ 編集 ]

・・・・・ここ読んで知りました

昨日はニュースを見る機会がなかったので・・・・・
しかし、まさか安楽死とは・・・開放骨折なら今の日本では
仕方ないのかという気もします。

師匠の死神の話とても興味深かっかたです。
今週でいえば、ダークシャドウとかもあぶなかったですしこの時期って
馬に変化有ったりするのかな?

[ 2013/10/25 05:30 ] [ 編集 ]
立札4

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tiltowait0hit.blog.fc2.com/tb.php/482-2082c514