「泣くのは今日だけにしよう」

俺「いつもこういう話をする時は、俺一人での喋りになってて対談にはならないんだけど。今日は弟子の希望により一緒に
  話をしていこうと思います。いいね。」
弟子「はい・・・」


俺「皆さんもご存知かもしれませんが、本日、我々が大好きだったトウカイトリックの訃報が報じられました。」
弟「とても悲しいです・・・」


tokaitrick.jpg



俺「最初このニュースを見た時、本当に意味がわからないと言うか、なんだこの記事はぐらいに思いました。」
弟「どうしてこんなことになっちゃったんだろう・・・」
俺「16日の出来事が何故今頃になって報じられるんだという違和感もあったし、本当に釈然としなかった。ニュースを目の
  当たりにし、自分が一瞬硬直したのを覚えています。弟子は完全に放心状態で、今日の昼はお互いほとんど会話が
  できませんでした。」
弟「悲しくて、何だかよく解らなくて・・・頭の中が真っ白でした・・・」
俺「日中はそれでも働かなければならない。でも出先でこの事を思い返してしまう。勝手に垂れてくる鼻水と涙を花粉症だと
  ごまかしながら、今日という日を過ごしたよ・・・」

弟「悲しいですよ・・・あんまりだよ、本当に・・・」
俺「・・・」

弟「なんでトリックさんが・・・って気持ちで頭の中が埋め尽くされてしまったんですよ、ニュース見た時から。」
俺「そうだね・・・」
弟「京都競馬場で誘導馬になるはずだったんだよ。」
俺「現役引退から2ヶ月と少し、現役時代は無事是名馬を体現していたトリックさんがこんな形で旅立ってしまうとは・・・
  寝耳に水の様なこの訃報に頭がパニック状態になってしまったんだね。」
弟「これまでも仙人様やアビーさんとのお別れがあって、その時に師匠は、あまり『なんで』って考えない方がいいって言って
  くれたし、そうだとも思う。でもやっぱりまず最初に思ってしまったコトは、『なんで』って感じだった。」
俺「それは仕方のないコトだよ。そう思ってしまうよ、どうしても。」
弟「今でも、正直そう思ってしまいます・・・」
俺「天皇賞春を間近に控え、この舞台で誘導馬として9年連続してターフに立つトリックさんの姿を楽しみにしていた。もう
  お決まりの様に『走ってたら勝っちゃったかもねー』って言うつもり満々だったんだ。」
弟「言いたかったね。」
俺「・・・言わせてもらいたかったね。」
弟「大好きでした。トリックさんが高齢になってからのにわかファンかもしれないけど、本当に大好きなんです。」
俺「・・・その気持ちはこれからも大事にしておこうな。」
弟「うん・・・」
俺「俺達みたいにトリックさんが大好きって人は大勢居る。そして皆、今回の件で同じように悲しんでいる。」
弟「人気者でしたから。」
俺「やはり、昨年の天皇賞春でどの馬よりも大きな声援を受けて本馬場に入るトリックさんを思い出してしまうなぁ・・・この
  時に『ああ、愛されてるんだなぁ』って凄く実感したよ。」
弟「10歳でステイヤーズSを勝った時もすごかったよ。」
俺「あの時、俺の本命だったんだぞー。」
弟「覚えてますよぉ。」
俺「内をすくって差し切ったレース、2着ファタモルガーナは父がディープインパクトで、トリックさんとディープは同期だったって
  ことでもネタになったこのレース。そして、ここでトリックさんは3000m超のG1以外の重賞グランドスラムを成し遂げたんだ
  よね。」
弟「強かったですよね。」
俺「不屈のステイヤーとして、毎年出走するレースも決まりきっているかの様なスケジュールをこなしていた。暮れから春に
  かけては『トウカイトリックの季節が来た』なんて言う人も居て、本当に多くのファンに愛されていたね。」

弟「皆、誘導馬として淀に立つトリックさんの姿を見たかったんだよ・・・」
俺「・・・もう、この事実だけは曲げられないよ。」

弟「辛いよ、悲しいよぉ・・・色々思い出すと、逆にまた悲しくなってきちゃうよ・・・」
俺「うん・・・俺だってまだ辛いよ。お別れ言いたくない。」
弟「こういう出来事には慣れないよ・・・こういう気持ちになると、競馬見ているのが辛くなっちゃうよ。」
俺「慣れるものでもないし、慣れちゃダメだと思う。」
弟「うん、それは解ってる。でも・・・」
俺「そうだなぁ、仙人様の時も似たようなコト言ったもんね。」


弟「トリックさんに出会えて本当に良かったと思う。だからこんなに辛いんだよね。」
俺「そうなんだよね、トリックさんの存在が自分の中で大きいからこその想いなんだよ。」


弟「・・・」
俺「そこが解ってるから、今日は一緒に話をしようって言ったんでしょ?」
弟「うん。お別れはしたくないけど、ちゃんとお別れを言わなければいけないんだよね・・・」
俺「俺も自分で言っておいてアレだけど、やっぱり『なんでだろう』って気持ちが凄く強いんだよ。悲しいから、ドコかにそれを
  ぶつけたくなるって言うかさ。仙人様に献花しに行った時もそう、いざ献花台を目の前にしたら『なんで』って気持ちが爆発
  しそうになった。」
弟「そうでしたね・・・」
俺「でもこういう時に一番大事なのは、そこを考えるコトじゃないんだってことも、あの時に知ったんだよ。」
弟「うん。」

俺「お前が教えてくれたようなものだよ。ちゃんとお別れを言うことと、感謝するってこと。そして別れを目一杯悲しむこと。まず
  大事なのは、そこなんじゃないかな。」

弟「そうですね。」
俺「ここで『なんで』って言われてもトリックさんは困っちゃうだけなんだろう、そう思えばいい。」
弟「それもちょっと乱暴な気がしますけどねぇ。」
俺「でもさ、さっきお前が競馬見るのが辛くなるって言ってたけども。それは絶対トリックさんの望むところじゃないハズなん
  じゃないの。」
弟「・・・」
俺「まぁ、俺もまだ無理してる状況なんだけどね・・・正直、その気持ちは解るし。」
弟「いや、ボクも解るんです。ここで色々と言うってコトは、結果的にトリックさんのせいにしちゃってるってコトに成りかね
  ないので。」
俺「・・・凄く平たく言うと、そういう感じになっちゃうんだよなぁ。」


弟「お別れは辛いけど、そのせいで競馬見ることまで辛くなってしまったら、トリックさんが悲しむと思うの。」


俺「ああ、そういうこと。解ってるじゃん。」
弟「そこを理解してても辛いものは辛いので・・・」
俺「そうだね・・・だから今日はとことんお別れを悲しみ、そしてトリックさんに沢山お礼を言えばいいんだよ。」
弟「うん。」
俺「大事なのはそこなんだよ。」
弟「・・・なんか、自分でも仙人様の献花に行ってから、お別れに対する意識が変わった感じするんですよね。その大事な
  コトっていうのをしっかりしなきゃいけないし、どう想うことがお別れする馬達にとって幸せなのかって。」
俺「ヘタに達観しちゃうのもどうかと思うけどさ、天国に行ってしまったトリックさんにとっての幸せを考えたら、『今まで楽し
  かったよ、ありがとう!!』って皆に言ってもらうのが一番幸せなんじゃないかって。勝手な話だけどね。」
弟「いや、トリックさんはずっと悲しんでるファンは見たくないと思う。」
俺「そっか。」


弟「だから、今までトリックさんにもらった物を大事にして、その上で競馬を見続けたいです。」
俺「楽しい思い出も今は悲しく感じちゃうかもしんないし、今はそれでいい。でも、いつまでも辛いとは言っていられないし、
  それではむしろトリックさんが可愛そうだもんな。」


弟「天国でお父さんに会えたかな。」
俺「今頃『ああ、オヤジ、顕彰馬になってたよ』『ウソ!?』って会話でもしてるんじゃないかねぇ。」
弟「そんな気の抜けた会話なんですか・・・」
俺「印象としては飄々としてた感じあるんだよね、トリックさんて。」
弟「ああ、なんか解ります!!」
俺「JRA、天皇賞の時に京都に献花台置いてくれないかなぁ。今回は流石に行けないけど。」
弟「ちゃんとお別れできる場所はあった方がいいと思う。それだけファンが沢山居るんですから。」
俺「そうだね、そうしてもらいたいね。」



9年に渡った競走生活、8年連続での天皇賞出走、10歳で掴んだ3000m超のG2、G3の完全制覇・・・
無事是名馬の代表と言われた貴方と、この様な形で別れるとは思ってもみませんでした。

まだ、気持ちの整理が付かず、走っている姿を思い出すと涙が出てきてしまいます。

でも、きっと貴方はそんなことを望んでいないでしょう。

走るレースではどの馬よりも大きな声援を受け、走り終えたら誰よりもねぎらいの言葉を贈られ、
強豪達の揃ったレースの中で最も愛情と親しみを受けていたトリック翁。
その光景にはいつも暖かいものを感じていました。

競馬というギャンブルの中で、貴方が受けていた視線は純粋な応援だった様に感じます。

「馬券買ってないけど頑張れよ!!」
「トリックが勝つのならハズしてもしょうがない!!」
「とにかく無事に今日も走ってきて!!」

そんなファンの声援に応え走り続けてきた175,100m。歳を重ねるごとにファンの声は大きく、熱く、
愛情に満ちたものになっていきました。
今年も春の天皇賞で大きな声援を受けるだろう、そう思っていた中での引退。
でも誘導馬としてまた淀でもうすぐ会える、そう思っていた矢先の別れ・・・

トリック翁も、関わった関係者の方々もさぞかし無念でしょうし、ファンもまた悲しく、寂しく、
この訃報を受け止めています。貴方にまた会えることを信じて疑ってなどいなかったから・・・

貴方は、競馬で私達に色々なものを与えてくれました。10歳でのステイヤーズS勝利も非常に印象深いし、
昨年の天皇賞で11並びな成績もトリック翁らしかった。
でも9歳で挑戦した春の天皇賞の、あの追い込みにはシビれた!!目まぐるしく先行が入れ替わる中、落ち着き
払ってじっくり後方待機。直線を向き、荒れた馬場と馬混みを恐れず鋭く伸びての掲示板入線。
9歳にしてメンバー最速の上がり、最低人気とかフザけるな!!と言わんばかりの激走でした。

競馬の面白さやドラマの多くを、貴方は私達に与えてくれた。
だから、私達は貴方の思い出を大事にして、これからの競馬を見ていこうと思う。


だからね、トリック翁も天国からターフを見守って下さいね。お父さんと一緒に。


今日は目一杯貴方のことを想い、悲しむことにします。
でも、明日からは貴方の思い出と共にまたレースを見守ることにします。
私も弟子も、貴方の走りを絶対に忘れません。


今まで本当にありがとう!!トリック翁を応援し続けることができて良かったよ!!


親愛なる貴方が、せめて今は安らかでありますように・・・ 

合掌


「悪い見本」管理人:TILTOWAIT&弟子





※・・・何だかんだ言っても辛いです。暖かいコメントして頂きありがとうございます。
 でも今日明日はコメ返控えさせて下さい、ごめんね。

   

↑PLEASE 1DAY 1CLICK EVERYDAY!!↑

[ 2014/04/25 01:53 ] その他 | TB(0) | CM(8)

トウカイトリック、ありがとう。
[ 2014/04/25 09:15 ] [ 編集 ]

・・・・まじか

老後は安泰だと思ってたのに悲しいですね。

今週は忙しくて全然ニュースと神れてなかったので、ある意味師匠に感謝です。
ここ見なきゃの遅れてたと思うし・・・・

残念なのには違いないですが・・・
[ 2014/04/25 11:17 ] [ 編集 ]

トリック翁。ありがとう!!どうか安らかに!合掌(^人^)
[ 2014/04/25 11:43 ] [ 編集 ]

私もこのニュースを昨日知って愕然としました。
悲しんで、感謝して、また競馬を楽しみます。

同じ時代に生まれてくれてありがとう。
忘れないよ。
忘れても思い出すよ。

ずっと大好きだよ。

また上で会えるのを楽しみにしてる。
トリックさん、ありがとうね。
[ 2014/04/25 13:50 ] [ 編集 ]

トリック爺に今年も会えるの楽しみにしてたのに。・゜・(ノД`)・゜・。
毎年現地観戦している春の天皇賞。
当たり前のようにいたトリック爺がいないなんて…。
せめて安らかに。合掌。
[ 2014/04/25 15:48 ] [ 編集 ]

ただただ悔しくて、なんかやりきれない想いですが、受け入れなきゃいけない。

トウカイトリック号へ、
ありがとうございました。天国でのんびり過ごして下さい。
[ 2014/04/25 22:44 ] [ 編集 ]

語弊はあるが競走馬が経済動物と実感したのが、サイレンススズカだった。
それ以来1番人気に大金を賭ける競馬は辞めた。
賭けた馬が安楽死は見たくない。
競馬を続けてると、これからも見る事になる。
100円で人生掛けるのは競馬を続ける為。
現役を無故障で終えたのに皮肉なものだ。

合掌
[ 2014/04/25 22:52 ] [ 編集 ]

トウカイトリックさん。

なる。

うん。
りょうこもね、
ほんとうにショックでした
なぜどうして ((T_T))

つらいです。

かわいそうです。
[ 2014/04/26 00:08 ] [ 編集 ]
立札4

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tiltowait0hit.blog.fc2.com/tb.php/625-ebe516e2